「食料支援」すべての人に コロナ苦境、世代問わない 府内各地で取り組み/下京区でベトナム人対象の企画も
コロナ禍、生活苦にあえぐ学生・若者を支援しようと始まった各地の食料支援企画では、高齢者や母子家庭など世代を問わず支援を求めている現状が浮き彫りになるなか、京都市北区では27日、全世代を対象にした「食料品・日用品の提供と相談会」が、6月18、19日の両日には、日本ベトナム友好協会京都支部により、ベトナム人対象の食料支援企画がそれぞれ計画されています。
北区の「食料品・日用品の提供と相談会」の事務局を担当しているのは岩井史彦さん(64)。自らも参加する北上地区労で昨年10月に取り組んだ電話相談では仕事が見つからないなどの声が寄せられ、困っているのは学生や若者だけでなく、あらゆる世代の人々だと実感。
京都市右京区の京都保健会が1月から地元自治会とも協力して全世代を対象にした支援企画を行い、3月には300人を超える人々が集まった(5月末には443人が参加)ことを知り合いから聞き、4月に全世代を対象にした支援企画を行う、北区食料支援プロジェクト実行委員会(高松嘉代・実行委員長)を立ち上げました。地区労、民主団体などと協力して、食料調達、ボランティアや寄付を呼びかけています。
岩井さんは「リーマンショックの時は年越し派遣村などが作られたが、今はあの時以上の経済苦境。自己犠牲を求めるのでなく、コロナで困っている人を救うため社会的連帯が必要」と話しています。
ベトナムの人々の支援に向けて奔走しているのは日本ベトナム友好協会京都支部の富田秀信さん(70)。 ベトナム人は日本の外国人労働者で最多。多額の借金を抱えて来日し、給料のほとんどを家族に仕送りしているため、コロナ禍で仕事やアルバイトが減り家賃が払えなくなったり、帰りたくても帰国する旅費もなく困窮している人が増加していることを報道などで知り、胸を痛めていました。
5月に開かれた日ベト協会の全国総会で、ベトナム人支援の取り組みが他府県で広がっていることに刺激され、京都でも取り組むことにしました。
ベトナム・ハノイ出身で、大分県にある立命館アジア太平洋大学に学んで日本に帰化し、下京区でベトナム料理店「ベトキッチン」を開いた日ベト協会会員の河内ハンさん(36)に協力を打診。河内さんは会場として提供し、日本語、ベトナム語併記のチラシ作製にも協力。日ベト協会が、日本語専門学校などに配布しています。
富田さんは「使うだけ使っておいて、コロナで仕事がなくなれば切り捨てる。そんな日本人だけではないことを知ってもらうために、多くの人に食料供出やカンパ、広報の協力をお願いしたい」と呼びかけています。
6月度に府内で予定されている食料支援・相談会
【京田辺市】 19日(土)午前11時~午後3時、龍馬館(興戸久保17)。問い合わせ☎090・4641・8620(石野)。
【南区】 20日(日)午前11時~午後2時、六孫王神社境内(八条町509)。問い合わせ☎075・661・7315(南区生活と健康を守る会)。
【舞鶴市】 20日(日)午後1時~3時、泉源寺公園(田中町4番地の1)。▽27日(日)午後1時~3時、まいづる協立診療所駐車場(上安199―30)。いずれも問い合わせ☎090・9874・1245(塚崎)。
【右京区】 26日(土)午後2時~4時、春日診療所北側駐車場(西院下花田町21)。問い合わせ☎075・311・3176(右京区くらしの何でも相談会実行委員会・同西院実行委員会=春日診療所内・尾崎)。
【北区】 27日(日)午前11時~午後2時、紫野協立診療所駐車場(紫野西野町60)。問い合わせ☎090・1962・3558(岩井)。
【中京区】 27日(日)午後1時~3時、新日本婦人の会中京支部事務所と駐車場(西ノ京職司町67)。問い合わせ☎075・406・6370(中京社保協)
【東山区】 27日(日)正午~午後3時、大和大路通正面西入ル約50㍍北側(本町4丁目144)。問い合わせ☎090・4649・7564(牧田)。
【ベトナム支援】 18日(金)・19日(土)午前10時~正午、ベトキッチン(京都市下京区西七条南衣田町78―1)。問い合わせ☎090・2016・8485(店主・河内ハン)。