北陸新幹線延伸(敦賀─新大阪間)をめぐり、南丹市の西村良平市長は「できれば、別ルートでいってほしい」と発言するとともに、「メリットはない」という認識を示しました。9月1、2の両日に行われた市議会一般質問で答弁しました。

豊かな自然と文化遺産「一時のトンネル工事でつぶすわけにいかない」

 1日の質疑では、公明党議員が、熱海市の土石流災害を受けて同市での状況や対策をただす中で、延伸工事について質問。これに対し、西村市長は工事に伴う大量の建設残土の発生を「非常に心配している」と強調。また、ルート上に想定される地域には豊かな自然と文化遺産があり、こうした「地域の宝」を生活の糧とする住民もいるとした上で、「(「地域の宝を」)一時のトンネル工事でつぶすわけにいかない」と述べました。

 同市には工事に関する許認可の権限はないため「嫌だと言って止められるわけではい」とした上で、「できたら、別ルートでいってほしいというのが本音」「来てほしくないというのが率直な思い」などと述べました。

 2日は日本共産党の野村健議員が、残土処分やヒ素を含む有害残土の問題、トンネル工事による地下水への影響、工事費の市負担など5項目について、西村市長の認識をただしました。

 これらの質問を踏まえ、西村市長は、同市での延伸工事について、「本市にとって今のところメリットはないと言わざるを得ない」と答弁しました。