府立植物園(京都市左京区)や仁和寺(同右京区)周辺の開発計画の中止・見直しを求めて運動する市民らが20日、京都市内4カ所で、コラボ(共同)宣伝に取り組みました。参加者はプラカードを掲げてアピールし、環境や景観保全を訴え、署名を呼びかけました。

 宣伝に取り組んだのは、府立植物園や府立大学などを開発する計画の「北山エリア整備基本計画」の見直しを求めている「府立植物園整備計画の見直しを求める会(なからぎの森の会)」と、仁和寺門前のホテル建設の中止を求めている「世界文化遺産仁和寺の環境を考える会」。

 京都市の北、上、中、下京など繁華街4カ所で宣伝しました。北区の北大路ビブレ前の街頭宣伝で、「なからぎの会」の吉澤喜代一さんは、府の計画が府立大に1万人規模のアリーナを作り、植物園を公園化し、娯楽施設に変えようとしていることを告発し、「全国の府立植物園を守りたいという人や、元園長、植物の専門家などが計画の見直しを求める声を上げています。現在、9万人分を超える署名が寄せられています。ぜひ署名にご協力お願いします」と呼びかけました。

 「仁和寺の環境を考える会」の桐田勝子さんは、仁和寺門前に大規模なホテル建設計画が浮上していることを訴え、「アピールへの賛同人が2000人以上に広がっています。賛同人からは『これを建設させたら京都の恥になる』という声が寄せられています。ぜひみなさんも賛同してください」と訴えました。

 「京都・まちづくり市民会議」の中島晃弁護士は、北山エリアの植物園開発や仁和寺門前での建設計画について、行政が住民の思いを無視して建設計画を進めていることを強く批判し、「府民・市民の財産は地域の住民が主人公として考えるべきもの。行政が開発を押し付けたり、金もうけのための施設に変えることは許されない。私たちの活動にご協力をお願いします」と呼びかけました。