【京丹波町議選】共産党3議席で命・暮らし守る町政に 9日告示、14日投票
京丹波町議選(定数13、3減)が11月9日告示、同14日投票で行われます。日本共産党は、東まさ子(73)、山田ひとし(73)=以上、現職=、中井幸一(71)=新人=の3人を擁立し、現有議席の確保とともに、過去最高の議席占有率(23・08%)の峰に挑戦します。同町議団は、太田昇町政が「ほご」にした、身の丈に合わない新庁舎建設や前町政の公金投入問題の「追認」など、町政の無駄遣いとゆがみをただしてきました。新庁舎建設の〝ツケ〟で住民サービスの低下が懸念されるもと、「ツケの住民への転嫁を許さず、命、暮らしを守る町政を」と訴えています。
「無駄遣い」「ゆがみ」ただす積極論戦
老朽化に伴う新庁舎建設では、寺尾豊爾前町長が総事業費を約34億円と試算したのに対し、同町議団は、一貫して必要最小限のコンパクトな庁舎建設を要求し、町当局が旧庁舎の規模(職員数)であれば可能とした総事業費約15億円以内を求めてきました。
太田町長は、初当選した前回町長選で規模・工法・構造などの見直しなどによる「工費削減」を公約していましたが、1日に開庁した新庁舎の総事業費は32億円に上りました。さらに、道路改良などの周辺整備に約9億円かかります。大会議室、カフェなどが入る交流スペースを新たに設置するなど、床面積で旧庁舎の約2・7倍となりました。
新庁舎建設をめぐり、町広報10月号では「財政健全化に向けて」と題し、新庁舎整備などの大型事業による公債費の増加も見込まれることなどを理由に、「施策の選択と集中」「事業の効率化」などが必要としています。
共産党3氏は、「無駄遣いのツケを住民にまわすことを許さず、国保税、水道料金の引き下げなどで町民の命と暮らしを守る町政の実現を」と訴えています。
国保税をめぐり、基金活用で1人1万円引き下げが可能であり、500万円で子どもの均等割を廃止できることを議会論戦で明らかにしています。
寺尾前町政が15年1月に道の駅「丹波マーケス」を運営する第三セクターの経営支援を目的に約6億円の公金を投入した問題では、三セクの主要株主は寺尾前町長の親族企業であり、寺尾前町長が3セクの借入金の保証人となっていました。
太田現町長は、町長選では公金投入を問題視し、弁護士などによる検証委員会の設置を公約していましたが、未設置のままです。同町議団が経営内容を明らかにする資料公開を求めてもプライバシーを理由に拒否しました。
同町議団は、公金投入を含む補正予算案に反対。議会での追及に加え、公金の返還を求める住民訴訟でも原告団に加わりました。
原告団の副代表を務めた谷山眞智子町議(無所属)は、「前回選挙で一石を投じたいと町議になった。その当時から、『おかしい』と共産党は声を上げてくれていた。町議として二元代表制のもと町政をチェックしなければと、ともに取り組んだ」と語ります。
「高齢者に冷たいな」─町ケーブルテレビの民営化に伴い7月末に廃止された「音声告知放送」について、中井定一さん(83)は語ります。同放送は、室内端末から町からのお知らせや災害情報などを音声で伝えるもの。町は、代替にスマートフォン用アプリやタブレット貸与と言いますが…。「地域のお悔やみも放送され、台風が来てることも知らせてくれた。アプリ、タブレットの使い方は役場が教えてくれないと分からん」と言います。
放送廃止の条例改定案が提案された6月定例議会で同町議団は、町民に十分な説明がされず一方的に進められていることを批判するとともに、無所属議員と共同で情報難民を生まない対策のため、廃止を2カ月延期することを盛り込んだ修正案を提案。公約では「新たな音声告知に取り組む」を掲げています。
町政だけでなく国政にもきっぱり物を言ってきました。厚労省が名指しで統廃合の検討を要求している国保京丹波町病院について、「地域医療を壊すな」と訴えて議会で町長の認識をただすなど、存続へ向けて奮闘しています。
■コロナ対策強化へ積極提案/町政動かす共産党町議団
住宅改修助成延長、学校トイレの洋式化、就学援助前倒し支給に
日本共産党町議団(東まさ子団長、3人)は、コロナ対策では、町独自の支援策や社会的検査の実施を求めてきました。また、学校・教育環境の改善、地域経済対策などの要求を実現してきました。
コロナ対策では、町長に対し、計7回の申し入れを実施。社会的検査の実施、営業や困窮者への独自支援などを求めてきました。
検査拡充について太田町長は現実的ではないなどと否定的な見解を示してきました。福祉施設などでの検査キット購入の独自補助はありません。特別養護老人ホーム・丹波高原荘の和田三郎理事長は、「今年、感染者が出た際は、検査対象外だった職員、新規入所者の検査キットを自費で購入した。第6波の到来が懸念されるもと、対策充実は必要だと思う」と指摘します。
コロナ対策と関連し、11年から実施されている住宅改修助成制度について、地域経済への波及効果が高いため、コロナ禍での地域経済への打撃を考慮し、延長を要求。今年度の継続が実現しました。
住民要求では、教育環境改善のため小中学校のトイレ洋式化を求めてきました。9月定例議会で町は、未実施校について取り組む方針を表明。この間、小中学校のエアコン設置も完了。15年度に実現した高校生の医療費無料化では、高校生の償還払いを現物給付とするよう求めています。
公約では、幼保無償化、学校給食の無料化などさらなる子育て施策充実を掲げています。
他に、就学援助金の前倒し支給(18年3月)と申請時の民生児童委員の意見書廃止(昨年10月)も実現しました。