住民の願い、声が生きる町政に 宇治田原町で住民組織「まちづくりをともに考える会」結成
宇治田原町で、住民の願いや声が生かされる町政を目指し、恒常的に町政を監視し、住民の要望を集約し町政に届ける組織「まちづくりをともに考える会」の発足集会が10月24日、同町立総合文化センターで開かれ、町民約30人が参加。活発な議論が交わされました。
同町では、官製談合汚職で昨年12月、理事(当時、その後懲戒免職)が逮捕され(今年6月、有罪判決)、今年1月の宇治田原町長選挙では現職相手に、日本共産党も参加する「宇治田原町政を刷新する会」が推す今西久美子氏が得票率43%で大善戦するなど、開発優先、町民無視の町政に批判が集まりました。
その後も、町の姿勢が変わらないことから、恒常的に町政を監視し、町民の意見を聞く組織が必要との町民の声を受けて会が設立されたもの。
設立総会では、町長選をたたかった今西氏が「住民一人ひとりの願い・声が生かされる町政に」という会の目的、まちづくりのビジョン、今後の取り組み、構成、役員、財政を提案しました。
まちづくりのビジョンでは▽自然豊かなまち▽生きがいを持って暮らせるまち▽安全で安心なまち▽歴史・文化を生かした産業発展をめざすまち▽住民が主人公を貫き、他市町のモデルとなるまち▽無駄を省き、健全な財政運営のまち─の6項目を提起。取り組みでは、町政監視や、住民アンケート、町への申し入れや懇談、ニュースの発行、学習会開催などをしていくことをあげました。
「宇治田原町政を刷新する会」の共同代表を務めた大平勲氏を「考える会」の代表に、今西氏を事務局長にする役員案も含め、提案が参加者の拍手で確認されました。
大平代表は、町長選挙で現職を土俵際まで追い込んだたたかいを振り返るとともに、町政刷新に向け継続的に活動すべきとの声が寄せられたことを紹介。開発のみならず、教育、医療、福祉など町政全般について町民がともに考える「参加型」の住民組織であると強調し、「賛同の輪を広げてほしい」と訴えました。
参加者からは、町が開発を優先する一方で、高校生の通学補助など町民サービスを次々と切り捨てていることへの批判のほか、道路のバリアフリー化への要望、地域の交流の場であり避難場所でもある小学校を残すことの重要性、同町で手話の普及や利用促進の条例が制定されながら庁内に手話通訳者が一人もいないことへの疑問、自然を残すために農林業を維持・発展させていくことの必要性などが語られました。
役員は次のとおり。代表=大平勲、副代表=谷口明久、西出康夫、山本弥素典、事務局長=今西久美子、事務局次長=安本修、会計=玉田豊。(敬称略)