京都市「豪華」庁舎整備 日本共産党京都市議団・井坂博文団長に聞く/共産党論戦を不正確報道「テレビ朝日」に抗議
共産党 工事契約議案に一貫して反対
テレビ朝日系列の番組「羽鳥慎一モーニングショー」が11月19日、京都市が本庁舎の建て替えに合わせ、茶室や地下通路など不要で豪華な整備を行った問題を特集・放映し、その際、工事の契約議案に一貫して反対してきた日本共産党市議団の井坂博文団長のコメントを紹介しました。ところが、同議員団が整備全てに賛成したかのような報道がされ、同議員団は同日、同局に抗議し、談話を発表しました。井坂団長に、庁舎整備での議員団の対応などについて聞きました。
「賛成」したかのように
――番組はどんな内容だったのでしょう
本庁舎は4年にわたって改修工事が行われ、今年9月に完成しました。番組は、市が財政難と言いながら、地下街からの連絡通路、もてなし用の和室兼茶室などの整備をしたことを問題視した内容でした。その際、私のコメントが紹介されました。ところが、議員団が豪華な整備全てに賛成したかのような不正確な報道となりました。
可能な限り「縮減」要求/地下通路13億円、庁舎内に店舗も
――共産党は、一貫して豪華な庁舎整備に反対したのではなかったでしょうか
そうです。共産党は、庁舎整備の全ての契約案件に唯一反対し、併せて一般会計予算案にも反対してきました。
本庁舎は昭和初期に創建されたものです。そのため、議員団は建て替えにあたり、本庁舎の老朽化や耐震性対策と合わせ、庁舎が手狭で外ビルに分散している執務室を本庁にまとめることは必要としてきました。
しかし、整備計画の内容が明らかになり、問題が大きいことが分かりました。地下通路には13億円の費用がかかる上に、建て替える西庁舎の1階には店舗を設置する計画で、そのための費用も含まれていることが判明しました。
共産党は2016年9月議会の決算特別委員会で、「今の市財政と市民生活のもとで、建設費は可能な限り縮減するべき」「地下通路設置や庁舎に民間店舗を引き込むことは不要」と指摘し、計画を見直すよう求めました。
その翌年の17年5月議会に契約案件が提案。本庁舎と西庁舎の工事費は当初、134億円だったものが、5回の契約変更を経て154億円(表参照)となり、その後さらに増額し、最終159億円になりました。すでに整備が完了した分庁舎と工事が始まったばかりの北庁舎もいれると、総額は350億円だったものが、370億円に膨らんでいます。
1時間半の取材対応も
─―番組では、団長の発言の一部が切り取られたと聞きます
番組作成に当たっては、1時間半に及ぶ取材があり、議員団の態度を詳しく紹介しました。議場の改修については、耐震化・バリアフリー化された以外は、天井やステンドグラスなど元々あったもので、「豪華とまでは言えない」と答えました。しかし、私の発言のこの部分が切り取られ、議員団の立場が正確に伝わりませんでした。
大型開発の見直しこそ
――まだ庁舎整備は続いています。その一方で、「行革」は目白押しです
北庁舎の建て替えは10月に始まり、25年の完了見通しで、工事費はさらに膨らむことが予測されます。議員団では、今後も必要な見直しを提案し、市長に経費の縮減を求めます。
それとともに、最大の無駄遣いは、府・市協調による北陸新幹線延伸計画です。財政危機キャンペーンを行って、市民に負担増や市民サービス切り捨てを押しつける「行財政改革」を中止し、ムダな大型公共事業推進を改めるよう今後も全力を上げていきます。