請願を提出する立命館宇治高校の生徒ら(2月14日、宇治市)

 現行の同姓ではなく、希望する人は婚姻前の姓を保持したまま婚姻できる「選択的夫婦別姓制度」を導入するよう、国に意見書を提出してほしいと、立命館宇治高校(宇治市)の生徒4人が2月14日、宇治市議会議長宛てに請願を提出しました。

 同市議会で、同様の内容の請願提出も、請願者が高校生というのも初めてです。

 請願文では、「選択的夫婦別姓制度」は、戸籍という日本の伝統を守るために同姓にすることも、ジェンダー平等を目指して別姓にすることもでき、選択の自由を与えられる有効的な制度だと考えると指摘。通称使用による不利益にもふれ、「今、悩みを抱える人を助けたい」、今後、成人した時に「自由に選択できるようになっていてほしい」としています。

 4人は高校2年生。昨年、授業で選択的夫婦別姓について学び、その後も関心を持って探求するなか、インターネットで選択的夫婦別姓の実現を地方議会に働きかけている活動を知りました。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの存在も「刺激になった」と話し、学習や社会に働きかける活動を始めました。

 昨秋から、全市議に順に連絡を取り、同制度の賛否に関して意見を聞き進め、今月9日には、議員の仲介で全会派の議員と懇談の機会も得ました。4人は、議会に要望を伝える手段として、全議員の採択を要する請願を選択。文書には、懇談の場で聞いた反対意見も尊重し、改姓で女性が96%を占める現状から、ジェンダー平等の視点に触れています。

 同請願は3月4日の市民環境常任委員会で審査される予定です。