見学コースのひとつとなっている樹齢数百年の北山杉
 木造倉庫群の見学、磨き丸太の体験も

 北山杉の里として知られる京都市北区中川で、地域住民でつくる「中川村おこしの会」が5月7、14、21日の各土曜日、ガイド付きツアーを行います。「たくさんの魅力が詰まっている中川に、ぜひ来てほしい」と呼びかけています。

 中川地域は、川端康成の小説「古都」の舞台としても登場。杉材の産地、加工業で知られ、中でも600年前から続く磨き丸太が有名です。谷あいには、磨き丸太を加工や保管する小屋が住居と一体となっていたり、近接する家々が続き、北山杉の山並みと調和した独特の景観を形成してきました。

 地域は、文化財保護法に基づく「重要文化的景観」指定は受けてはいないものの、市が指定を目指して調査(2015~18年度)をした際に、その景観の価値が認められました。

 一方、林業の低迷から過疎化に拍車がかかるようになったことから、地域の魅力を伝え、地域を元気にしようと有志が10年前、「会」を立ち上げました。森林学が専門の元京大教授で、育林業を営む岩井吉彌さんが現在、会長。岩井さんのかつての小学校の同級生など15人が参加します。

 これまで、手入れが出来なくなった北山杉の枝打ち作業を引き受けたり、ガイド付きツアーや子どもたちのための森林教室などを開催してきました。

 この間、「ツアー」や「教室」は、新型コロナのため、開催を中止してきましたが、今回3年ぶりに再開することにしました。

 会員がガイド役となり、樹齢600年の台杉や中川の家並み、丸太を加工・乾燥・保管のための木造倉庫群の見学や、「会」の会員が経営する銘木店での磨き丸太の体験などを予定します。

 「会」の小阪隆治さんは「北山杉の深い緑と青葉もみじの新緑が織りなす風景は、5月にしか味わえない美しさ。来てもらって損はない」と話します。

 この他、夏には森林教室も再開。秋には、森林に関する書籍ばかり約2000冊をそろえた日本初の「森の図書館」をオープンする予定です。館長となる岩水俊一さんは「子ども向けの本や中川で使っていた民具も展示します。京都市街から車で30分。気軽に立ち寄ってもらったら」と話しています。

 ガイドツアーは午前10時20分~午後1時まで。料金は3000円(小学生以下は1500円)で、コーヒー付き。各募集人数15人(先着順)。集合はJRバス停「中川学校前」の中川自治会館前(無料駐車場あり)。申し込みはメールで、名前、住所、生年月日、電話番号、参加日を明記して送付を。メールyoshiya.iwai@gmail.com