存続を求める保護者らの声を無視して休所となった上宮津保育所
「宮津の会」・長林みよ市長候補
共産党・おのう孝之候補
共産党・うつのみやあや候補

■市長選 「宮津の会」長林みよ候補

■市議選 日本共産党・おのう孝之候補、うつのみや候補

 宮津市長選・市議選が6月12日告示、同19日投票で行われます。現市政は事実に反する「財政破綻」論を理由に、水道料金値上げや保育所休所を強行し、新たに住民サービスの民営化や下水道料金値上げなどを進めようとしています。市長選では日本共産党市議で「みんなでつくる宮津の会」の長林みよ氏(64)=無所属=、市議選(定数14)では日本共産党の、おのう孝之(67)=現=、うつのみやあや(52)=元=の2氏が、「住民への負担増押し付け、市民サービス切り捨ての市政ストップを」と奮闘しています。

 宮津市は18年に「財政破綻」の危機を主張し、24年度までに見込まれる約41億円の財源不足を解消するためとして、公共施設統廃合、補助金削減などを掲げる「財政健全化に向けた取り組み」(19年2月)を打ち出しました。

 こうしたもと、21年1月、水道料金を全体で平均33%の値上げを実施。基本料金(5立方㍍まで)は1152円から1900円と約65%の値上げで、高齢者世帯など使用量の少ない住民ほど重い負担です。

 80代の自営業(園芸関係)の男性は、コロナ禍の2年で、売り上げは半減しているとし、「持続化給付金と月4万円の年金で何とかしのいでいる。業務で使う車のガソリン代も高くなって、より状況は悪くなっている。商売をやめたくても、年金だけでは生活もできない…。宮津市は、水道代値上げで追い打ちをかけるようなことをせず、なんとか負担を減らすことをしてほしい」と訴えます。

 同市は20年9月、公共施設247カ所の廃止などの再編方針を発表。約41億円の財源不足の解消に向けた重点的な取り組みと位置付けました。

 再編対象とされた上宮津保育所では、保護者会や地元自治連は存続を求める要望書を市長に提出するともに、日本共産党市議団は市議会で保護者の声を受け止めて存続するよう要望。しかし、21年度から事実上の廃止となる休所が強行され、在園児は転園を余儀なくされました。

 保護者会役員を務めた男性は、「結論ありきで、『せめて在園児が卒園するまで存続を』という保護者会の意見も聞き入れられなかった」と語ります。

 さらに、同市は21年3月、人口減少による税収減少が予想されることから21年度から10年間で新たに約16億円の財源不足が見込まれると主張し、解消に向けた行財政運営指針を策定しました。

 同指針では、▽住民サービスの民間移行の推進▽公共施設統廃合の着実な実施▽汚水処理(公共下水、合併浄化槽、し尿くみとり)の適正な受益者負担の検討─などを掲げています。

「財政破綻」論に根拠示し反論

 「財政健全化」の名のもと、市民負担を押し付ける現市政に対し、日本共産党市議団は、市の「財政破綻」論は事実に反するとして、市民生活を守る役割を果たすよう市の姿勢をただしてきました。

 同市は、18年9月定例会で、このままでは北海道夕張市と同様に財政再生団体に陥いるという「財政破綻」の見通しを報告。市長は、「市民の協力で切り抜けたい」と住民に負担を求める姿勢を示しました。

 「財政破綻」論に対し、同市議団は同年11月、市の財政状況を分析し、「身の丈にあった予算にすれば、財政破綻しない」という見解を発表。その後の議会論戦で、財政健全化を名目にした住民への負担押し付けは許されないと訴えてきました。実際に同市の20、21年度の決算は黒字となっています。

 水道料金の33%値上げが提案された20年3月定例会では、「生活を圧迫するほどの大幅な値上げだ」と反対しましたが、共産党以外の賛成多数で可決されました。

 上宮津保育所の休所をめぐっては、一貫して保護者や地元の合意のもとで進めるよう要求。保護者会の、存続を求める市長への要望書提出も受けて、議会で市長に存続を迫りました。

 新たな負担押し付けを狙う行財政運営指針に対しては、21年の3月定例会で、コロナ禍の下で、市民の暮らしや営業を守るという自治体の役割の発揮が特に求められていると指摘して反対しました。