“ブレない共産党”に期待の声 維新ポスターの家でも「軍拡で暮らしどうなる。不安大きい」「『核共有』の主張、知らなかった」
自民・公明両党や日本維新の会、国民民主党が競い合うように、公約に「防衛費」の「倍増」や「増額」を掲げ、大軍拡を許すのかが選挙の大争点となるもと、日本共産党の「大軍拡では暮らしがつぶされる」「『戦争する国づくり』ストップを」との訴えに、期待と注目が集まっています。
「ブレない共産党に期待しているから」。京都市左京区の修学院学区に住む吉村松喜さんは、同学区の日本共産党後援会の会員、中川勉さんに声をかけました。吉村さんは6月、日本維新の会の京都選挙区(改選定数2)の候補者のポスターを自宅に張り出しました。「勤めていた会社の関係者からどうしてもと言われて、断れなかった。でも支持は別」と打ち明けてくれました。
維新は公約で、自民党の政策に共鳴するように、「防衛費」のGDP比2%への増額を明記。併せて「核共有」論を掲げるなど、より右側から自民党を引っ張る姿を示しています。
「これでは暮らしがどうなるのか。物価高で弱者ほど生活は厳しいのに」と吉村さん。「年金の底上げ」、「高齢者の医療費2倍化中止」など、〝弱者の味方〟として一貫して頑張る日本共産党に、参院選で躍進・勝利してほしいと言います。
今回、国民民主は維新の京都選挙区の候補者を推薦しました。両党の協力は全国で京都のみです。協力関係をつくった一人が、国民民主の選挙対策委員長、前原誠司衆院議員です。修学院学区は、その前原氏が事務所を構える〝お膝元〟です。しかし、この地域でポスターを最も多く張り出したのは日本共産党でした。同党左京地区委員会が6月初旬、同学区で各党のポスター張り出し枚数を調べたところ、共産党は、自民、公明、維新など他党の枚数を合計した数よりも多くなっていました。
前出の中川さんは言います。「目抜き通りでは維新や自民に負けているけど、住宅地では他党を上回っている」。戦前、命がけで戦争に反対し、戦後も憲法、平和を守るため「ブレずに」草の根で市民と一緒に頑張ってきた党だからこそ、「この地域に根を張ってきた。ポスターを張ってもらえるのは信頼の証」と胸を張ります。そして今、大軍拡を求める大合唱の中、共産党への期待が高まっているのではないかと話します。
昨年の総選挙以来、共産党のポスターを自宅前に張るようになった岡本竹秋さんも、「ブレない」共産党を支持する一人です。自宅は白川通沿いにあり、〝貴重〟なポスター掲示場所となっています。
「ウクライナ侵略に乗じて、防衛費を増やせと言えば問題ないと言わんばかり。維新などは、政府与党に『是々非々』で対峙と言うけど、自民党を右へと引っ張っている。こんな中、共産党の存在は大事だ。もっともっと大きくなってほしい」と岡本さんは話します。
同学区でポスター掲示に協力した家を訪ねると、こんな声が次々と返ってきました。「戦争だけは絶対アカン」(88歳男性)「核兵器なんて最大の無駄。物価高騰対策にこそ力を入れて」(58歳、建築業者)「軍拡競争は際限がない。共産党頑張って」(高齢女性)……。
修学院学区だけではありません。右京区の安井学区でも、同党のポスター数が他党を上回ります。山田耕司市議が地域を回ると同党への期待の声が聞こえてきました。
自宅に維新のポスターを張っている竹田育生さんは、山田さんの求めに応え、憲法9条守れの署名に名前を書きながらこう言いました。「維新が防衛費の倍増どころか、核兵器の共有まで言い出していることを知ってびっくりしました。そんなことをしたら、平和や暮らしはどうなるのか、とんでもない。消費税減税、生活第一の共産党に頑張ってほしい」
■暮らし削る大軍拡 自民・公明・維新・国民“大合唱” 原子力潜水艦保有まで・・・
参院選で各党が掲げた「安全保障」にかかわる公約を比べると、日本共産党と自民・公明、日本維新の会、国民民主党の「翼賛勢力」と、対決点が鮮明になっています。
自民は「防衛費」のGDP比2%以上の倍化や、9条改憲を主張。公明も「防衛力を着実に整備・強化する」と明記しました。
維新は、軍事費の倍化だけでなく、「専守防衛」の見直しや「核共有」の議論の開始、中距離ミサイルの配備など、大軍拡への危険な政策を主張しています。
国民民主は、「自衛のための打撃力(反撃力)」を整備するため、「必要な防衛費を増やす」と明記。さらに、維新・国民民主は原子力潜水艦の保有も主張しています。
一方、日本共産党は、「大軍拡は平和と暮らしを押しつぶす」「憲法9条を守り、外交の力で平和を守る」との公約を掲げ、その実現に全力を上げています。