京都自治労連は11月9日、京都府庁内で会見を行い、地方自治体で働く非常勤職員(会計年度任用職員)の雇用の安定と処遇改善をめざす取り組みの一環として実施したアンケートの結果について発表しました。

 会計年度任用職員は、地方公務員法の改正で導入(20年4月)された1年間の会計年度内で任用される職員。京都府内では1万8600人、市町村の一般行政部門で約半数(48・3%)が業務を担っています。低賃金で、制度運用から3年目を迎える今年度末の雇い止めが心配されています。

 有期雇用から無期雇用へ転換する制度もなく、処遇改善は急務だと自治労連が全国で改善アクションに取り組んでいます。

 アンケートは、京都では7月~9月に実施し、16自治体・545人が回答。女性が77・9%を占め、職種では、一般事務が37・4%、保育士が17・5%、放課後児童支援員が5・5%と続きます。

 消費生活相談員、子育てや介護の支援、心理士など資格が必要な専門職が多く、正規職員の補助業務は47・4%ですが、補助的業務ではない仕事に従事する人も41・3%を占めています。勤続年数では、5年以上が59・7%で、「臨時的ではなく、恒常的な業務に従事していることを裏付けるもの」と指摘。

年収200万円未満が半数以上「制度が官製ワーキングプアをつくっている」

 勤務時間は、フルタイムより少し短い週34・5時間以上が42・9%。年収では「200万円未満」が53・4%で、主な生計維持者を「自分」と答えた人でも、年収200万円未満は49・5%でした。

 この日の会見で、アンケート結果を報告した新田昌之副委員長は、勤務時間を1日15分や45分減らして、ほとんどフルタイムと言えるパートタイムの人が4割を超えていることに、「退職手当」や「扶養手当」などが支給されないパートタイムに置き換えられている実態が明らかになったと指摘。年収200万円未満が過半数を超える実態に、「制度が、官製ワーキングプアの労働者を作り出している」と批判しました。

 会見には、会計年度任用職員3人が同席。「行政の最前線で市民生活を支えている私たち非正規職員が、低賃金で雇用不安を感じながら、やりがいと使命感を搾取されているのが現状」「国家資格を有し、専門性と経験が要る業務で20年以上働いていても手取りは17万円。待遇の低さ、雇用不安によって、募集しても若い人が集まらない」などと実態を述べました。