舞鶴市長選29日告示 竹内まさお候補「平和、暮らし守る市政に転換」
現市政■「軍港」復活を主張、市民の命が危険に/「株式会社」化で負担増、子育て支援に背
舞鶴市長選が1月29日告示されます(2月5日投票)。政府が同市の海上自衛隊基地の司令部地下化や長距離ミサイル配備の方針を示して危険な道に進もうとするもと、市長選では、住民、自衛隊員の命と平和を守る市政を実現するかが問われています。また、コロナ禍・物価高のもとで負担増を進めてきた市政から、暮らしを守る市政への転換も争点となっています。「みんなで〝市民参加の舞鶴〟をつくる会」の竹内まさお候補は、「平和、命、暮らしを守る市政を実現する」と奮闘しています。
同市長選には、竹内氏の他、現職(3期)の多々見良三氏、新人で前舞鶴市議(維新)の鴨田秋津氏、新人の森本隆氏が立候補する見込みです。
同市は旧日本海軍の鎮守府が置かれていた旧軍港都市です。戦後、旧軍港市転換法によって「平和産業港湾都市」へと転換し、これを市是としてきました。
現在、この町の性格を一変させるかのような事態となっています。政府が、敵基地攻撃能力の保有を表明し、同市の海自基地に所属するイージス艦2隻に長距離巡航ミサイルを配備・運用する方針を打ち出しています。さらに、ミサイル攻撃などを想定し、司令部地下化を28年度までに進めるとしています。
基地は住宅地と隣接しており、基地への攻撃は住民の命の危険に直結します。また、集団的自衛権の行使で敵基地攻撃を行えば、アメリカの戦争によって自衛隊員の命を危険にさらすことになります。
竹内氏は、攻撃を想定した地下化や専守防衛を逸脱したミサイル配備にきっぱり反対を表明し、「専守防衛の自衛隊を維持するべき。政府の危険な道に反対し、市民と隊員の命を守る」と訴えています。
一方で、多々見市長は昨年の市議会で、軍港開設以降の「国を守り支えるという重要な役割」を担い続けることが市の責務だとして、「軍港」都市を復活させるかのような主張を行っています。
鴨田氏は、公約などで、これらの問題には一切触れていませんが、同氏が所属する維新は昨年12月、敵基地攻撃能力保有や防衛予算の倍化などを求める提言を岸田首相に提出。さらに同党の政策では「9条改憲」「核共有」を掲げています。
地下化をめぐり、森本氏は自身で配信した動画で、国防上の必要な措置だとして「大賛成」と語っています。
指令部から数百㍍の場所に住む中野梢さん(77)は、「司令部を狙ったミサイルが近くに落ちることもあるのではないか。そうなっても、要介護3の夫を連れて逃げられるのか…。こんなことを許さない人に市長になってほしい」と語ります。
市民負担増の強行、前維新市議・鴨田氏も賛成
コロナ・物価高騰から暮らしを守る施策の実施も問われています。現市政は、「株式会社舞鶴市役所」を掲げ、コロナ禍にもかかわらず20年4月から水道料金(平均4・8%)、下水道使用料(平均10・6%)の値上げを強行。21年7月には可燃ごみのごみ袋価格(家庭用)を値上げし(12%~25%)、新たに不燃・資源ごみ回収と施設への持ち込みを有料化。これら負担増に対し、市議会では共産党議員団だけが反対。鴨田氏を含めた「オール与党」が現市政の運営を支えてきました。
また、現市政は、学校給食費無償化と子どもの医療費無料化の拡充をめぐり、親の給食費負担で子どもに感謝の心が育つや、無料化拡充の要求は議会の少数意見のため実現しないなどの暴論で拒否しています。
小学生と中学生の3人の父親、薗田唯史さん(46)は、「物価高のもと、将来の子どものための貯金を一部、生活費に回している状況です。舞鶴市は子育て世代にとって暮らしやすいとは思わない。子育て支援の充実と水道料金引き下げなど暮らしの負担を減らし、『暮らしやすい』と実感できるようにならないと市の未来も暗いのではないか」と語ります。