「目的からすると調査は違うのでは」「賑わい、収益増につなげようとしている」 「ウィングス京都」在り方検討、京都市男女共同参画審議委員会で苦言
京都市が「民間活力」導入前提で市場調査
京都市が在り方を検討している男女共同参画センター(ウィングス京都)=中京区=をめぐり、3月30日に開催された市男女共同参画審議会で、市は施設の「活用方法」について、民間事業者からアイデア募集した結果を委員に初めて報告しました。これに対して委員からは、「民間活力」導入を前提にした「活用」検討に、異論や苦言が相次ぐ事態となりました。
この問題は、市のリストラ計画(2021年8月策定「行財政改革計画」)が、ウィングスの「存廃や在り方の検討」を提起したことが発端です。
市は、ウィングスの相談室や図書情報室、ホールなど施設の大半のエリアについて、昨年6月~9月まで、民間事業者から「活用方法」を募集する「サウンディング型市場調査」を実施。市議会には既に同11月、「結果の概要」を提出し、6事業者から(不動産業3者、コンサルタント業1者、サービス業1者、建設業1者)から、飲食、物販などの提案があったことを明らかにしていました。
この日の審議会には、議会に提出したのと同じ「結果の概要」を提示しただけで、提案事業の具体的内容や今後の市の「活用方針」などについて一切明らかにしませんでした。
今後の施設の在り方については、「方針がまとまれば示す。現在、検討中」との説明にとどまりました。
これに対し、委員からは異論や市民不在のやり方に懸念の意見が続出しました。
手嶋会長「国際水準に沿った形で事業推進を」
「市はウィングスの指定管理者には事業展開の強化を求めている。その趣旨目的からすると今回の調査は違うのではないか。市にその認識があるのか」との指摘や、別の委員からは「(利用者のためではなく)にぎわい、収益増につなげようとしている」との意見も出されました。
手嶋昭子会長(京都女子大学教授)は「活用対象のエリアが施設の広範囲にわたり、各種事業がどうなるのか市民の方から心配の声を聞いている。市民の声を聞く手続きを取ってほしい」と要望。その上で「SDGs(持続可能な開発目標)達成の鍵は、ジェンダー平等だ。国際スタンダードに沿った形で、男女共同参画事業を推進してほしい」と注文をつける事態となりました。