「提言」について講演する森原国際局次長(中央)=5月25日

 日本共産党京都府委員会は5月25日、同党が3月に発表した、「日中両国関係の前向きの打開のために」と題する「提言」を学ぶオンライン学習会を開催。中央委員会国際局次長の森原公敏氏が講演しました。

 同「提言」は、志位和夫委員長が岸田文雄首相、呉江浩中国大使との会談の際に直接手渡し、双方から肯定的な受け止めが示されるなど、各地で反響を呼んでいます。

  森原氏は、「提言」が日中両政府から評価され、多くの保守系政治が「本当にこの通りだ」と高く評価していることを紹介し、「一番大事なのは日本の世論。中国と戦争しない、武力衝突などがないようにするために何が必要か、というところを国民のみなさんと共同し、道を開いていきたい」と強調しました。

 「提言」の特徴として、日中両政府の間に、「平和と友好に向けた共通の土台」が3つあることを紹介。第1の土台は、2008年の日中首脳会談で交わされた日中共同声明で、「双方は、互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」と合意したことだと強調し、「これはその後の日中首脳会談でも繰り返し確認されていることです」と述べました。

 第2の土台として、尖閣諸島をめぐる2014年の合意で「尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていること」とし、日中双方が「異なる見解」があると認識し、「対話と協議」を通じて問題を解決していくと確認していることを強調しました。

 第3は、多国間の平和の枠組みに関する共通点として、東南アジア諸国連合(ASEAN)が、日本、中国、米国、インドも加わる「東アジアサミット(EAS)」を発展させ、東アジア規模の友好協力条約を展望した「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)を提唱していることを紹介し、「この構想に日中両政府とも賛意を示しています。東アジアの平和をつくることに積極的に参加することが重要」と述べました。

 渡辺和俊府委員長があいさつし、「『提言』は大変積極的に受け止められています。中国と取り引きのある事業者や企業に『提言』を広げて対話を進めたいという声も上がっています。この世論を広げて、『戦争しない』という日本共産党らしい活動を進めていきましょう」と呼びかけました。