北山エリア(京都市左京区)や仁和寺(同右京区)周辺での開発計画など、京都の景観や住環境、町並みを壊す動きに反対する市民らが、5月27日に「町衆コラボ宣伝」と題した共同宣伝を行いました。6回目となる今回は、京都市が山科区の外環状線沿いで高さ制限を廃止したことを受けて、同区の山科ラクト前で行われ、約40人が横断幕やのぼりを掲げてアピールしました。

 京都市は、「人口流出」を理由に、市内の五つの地域で高さ規制や容積率の大幅緩和など都市計画の大幅見直しを提案し、市都市計画審議会で承認されました(3月29日、日本共産党の委員は反対)。今回の都市計画見直しについて、京都弁護士会は市内全域で高さ規制を強化した「新景観政策」を骨抜きにすると反対を表明。日本共産党は、市都計審や市議会で、「乱開発を招き、住環境悪化につながる」「人口流出の抑制につながらない」などと主張しました。

 宣伝に取り組んだ「これでいいのか京都ネット」、「山科カフェ」、「北山エリアの将来を考える会」、「世界文化遺産仁和寺の環境を考える会」、「松ケ崎かんぽ跡地問題を考える会」など各団体のメンバーや参加した住民ら8人がマイクを握って訴えました。

 中島晃弁護士は、新景観政策が住民運動の中で作られたことを紹介し、山科で高層住宅を許さないたたかいが「京都のまちを守る重要なとりでになる」と発言。市内各地で運動に取り組む仲間が山科に集まったことに触れ、「京都のまちこわしにストップをかけるために、山科の皆さんと手をつないで大きな運動を作っていきたい」と連帯を訴えました。

 日本共産党の山本陽子市議は、世界で自然環境や地域コミュニティーが持続可能になる低層のまちづくりが進んでいると紹介し、高さ制限を緩和した京都市は世界の流れから遅れていると指摘。平安京以前からの歴史をもつ山科の風情と住みやすい環境を守るため、引き続き声を上げていきたいと決意を語りました。