ものづくりで表す平和の形 同級生の若手工芸作家2人が平和展 森野渓登さん、安田琉さん 下京区で6月23日~25日
京都市立銅駝美術工芸高等学校の同級生で、陶芸と金工工芸に取り組む若手作家が、日本が大軍拡を進め、戦争に向かおうとする今、自分たちにとって平和とは何かを問うた「二人の平和展」を6月23日から下京区で行います。
二人は、安田琉さん(22)と、森野渓登さん(22)。安田さんは京都市立芸術大学美術工芸学部陶磁器専攻の4回生。森野さんは山梨県のジュエリー専門学校を卒業後、石川県金沢市の金沢卯辰山工芸工房で研修中です。
二人は高校時代に民青同盟に入り、憲法を学んだり、核廃絶にむけた活動、平和ゼミナールでの交流などに取り組んできました。ロシアのウクライナ侵略戦争や岸田政権による強硬な大軍拡に向けた政治に対し、自分に何ができるのか、どうしたらいいのか、それぞれが悩んでいました。森野さんが「ぼくらは表現できる。それぞれが自分の思う平和を形にして、見てもらう平和展をしよう」と提案。安田さんも同じ思いで、意気投合しました。二人での作品展は初めてです。
安田さんは「アンバランス」という高さ2㍍のオブジェを制作。様々な色や形の陶片が積み重なり、いかにも不安定です。「当たり前だと思ってきた平和がそうじゃなくなってきている。ちょっとしたバランスの崩れで壊れてしまう。そんな危うさを感じてほしい」と言います。その他、キノコの臼茸をデザイン化した「白地黒掻き落臼茸文壺」、日常使いの陶器も出品予定です。
森野さんは「和をつなぐ」をテーマに、天然石と銀を使ったブレスレット、ブローチ、リングなどを制作。「平和って何だろうと考えたら、まずは戦争がないことだと思う。みんなが輪になって仲よく話せたら、戦争になんてならない。その輪で、和をつなげたい」と言います。石は川で採取してきたジャスパーという色々な色目のある天然石を使用。自分で出したい色や形を削り出していきます。
展示品の一部は販売されます。売り上げの一部をアニメーション映画「はだしのゲン」上映会(7月30日、ひとまち交流館・京都、主催=戦争と銃後のくらし展・しもぎょう)に寄付します。
23日~25日の10時~19時(最終日は16時)、会場は森野さんの祖父(森野修一さん)宅=下京区柳馬場通仏光寺下ル仏光寺東町107─5☎090・5642・0372(森野渓登)。