京都総評や京都民医連、働くもののいのちと健康を守る京都センターなどでつくる実行委員会は7月8日、第18回働き方を見直す京都集会を京都市中京区のラボール京都で開きました。「人間らしく働き、健康で平和な社会を」をスローガンに全体会と分科会を企画し、約100人が参加しました。

 開会あいさつで実行委員長の梶川憲・京都総評議長は、春闘で勝ち取った賃上げが物価高騰に追いつかないもとで、最低賃金1500円の実現、働き方の改善を求める労働組合の役割がますます大事だと述べ、社会の流れや構造を学んでたたかうことの大切さを強調しました。

 記念講演は、「財界の労働者戦略にどう立ち向かうか~労働組合こそ希望」と題して神戸女学院大学の石川康宏名誉教授が行いました。

 石川氏は、経済界と政界が政策・資金面で癒着している日本社会の構造、労働組合の成り立ちなどについて解説。政党に企業・団体が日常的に献金できる国はG7の中で日本しかなく、財界にとって都合の良い労働者政策が行われる理由を指摘し、「『政治が分からない』では労働者の暮らしは良くならない。労働組合は政治に強くないといけない」と強調しました。

 そして、同じ資本主義国でも組合加入率が高い欧州の国々で、賃上げや労働時間短縮などを前進させている例や、米国での労組の特徴を紹介。「資本が力を持つ世界を押し返すには、労働者が団結してたたかうことが必要」と述べ、力関係を変える自覚をもつ労働組合を育て、広げることが大事だと話しました。

 京都総評の柳生剛志事務局長が基調報告をした後、運送業の長時間問題でトラック運転者の労働実態の告発(建交労)のほか、裁量労働制の問題(JMITU)、建設アスベスト被害の救済と問題解決に向けて(京建労)など、それぞれの組合の代表が報告しました。

 分科会では、パワハラ対策、非正規労働者の処遇改善など4つのテーマで学習・交流しました。