講演する岡﨑氏

2023教育全国署名ダッシュ集会(主催=子どもと教育・文化を守る京都府民会議、京都の公立高校30人学級をすすめる会)が17日、左京区の京都教育文化センターで行われ、オンラインも含めて45人が参加。集会では、請願項目の一つである給食費の無償化について、全国の状況を歩いて調査している元学校職員の岡﨑利夫さんが講演。府内で無償化に向けた取り組みの交流も行われました。

署名の請願項目は、▽小中高校で30人以下学級○給食費の無償化▽大高生に給付制奨学金の拡充○学校でもエアコン設置、トイレ洋式化─などを国、府、府内市町村に求める内容で府議会へは12月、国会と市町村議会は来年2月に提出予定。

同府民会議共同代表の梶川憲・京都総評議長は、府内各地で署名運動や議会への働きかけの中で、少人数学級の前進、子どもの医療費助成拡充、給食費無償化に向け、大きく動いてきているとして、「私たちが公共の役割を果たせと自治体を後押しているもの。半年後の京都市長選挙では必ず市政転換を」と呼び掛けました。

無償化自治体545に

岡﨑氏は学校事務職員を退職後、約6年間全国各地の自治体を回って聞き取り調査。現在、545自治体で給食の無償化(実施予定含む、9月1日時点)となり、とくにこの10年間で急速に進んでいると明らかにしました。背景には、住民運動の広がりとともに国がコロナ禍の物価高騰対策として保護者負担軽減のために自治体の判断で「地方創生臨時交付金」を給食費に活用するよう通知を出したこと、全国知事会や同市長会、指定都市市長会が国の責任で給食無償化を提言するなどの動きを紹介。

各地で広がる議会請願運動では、無償化の反対理由とされてきた、保護者負担を明記した学校給食法や財源確保について、自民党の茂木敏充幹事長が、政府の少子化対策の試案に盛り込まれた学校給食無償化を地方自治体への交付金によって実現すべきだとの考えを示したとして、「完全に打破できた」と述べました。「議会に向けた請願採択は今です」と強調しました。

また、食育推進、教育としての給食を目指し無償化に進んだ群馬県みどり市、特産の有機野菜を学校給食に使っている島根県吉賀町など、豊かでおいしい給食の実現が進んでいる自治体にも触れ「民営化でなく、自校直営方式がベスト。市民の声を届け、給食費無償化の実現を進めよう」と呼び掛けました。

集会であいさつする梶川共同代表