世界平和願いジョイントコンサート 京フィル室内合奏団×バルカン室内管弦楽団 指揮・栁澤寿男 11月24日、呉竹文化センターホール
「World Peace Concert in Kyoto 2023」と銘打って京都フィルハーモニー室内合奏団(京フィル)とバルカン室内管弦楽団のジョイントコンサートが11月24日、京都市呉竹文化センターホール(京都市伏見区)で行われます。指揮は栁澤寿男さんです。
栁澤さんは2007年、アルバニア系住民とセルビア系住民が対立する旧ユーゴスラビア連邦セルビア共和国コソボ自治州(現・コソボ共和国)にあるコソボフィルの首席指揮者に就任。同年、バルカン半島の民族共栄を願ってバルカン室内管弦楽団を設立しました。
アルバニア系住民とセルビア系住民が川を隔ててにらみ合う都市ミトロビッツァの「対立の橋」両岸で、両住民が参加するバルカン室内管弦楽団のコンサートを開き、世界的に話題となりました。この逸話は高校「世界史A」の教科書(実教出版)でも紹介されています。
「コソボ紛争終結後、欧州での紛争は起こらないと思われましたがウクライナで起きてしまった。隣国と仲良くするのは難しいですが、音楽などで直接交流し、共同作業をすれば紛争予防につながると思う」と栁澤さん。
ジョイントコンサートは、栁澤さんが、バルカン室内管弦楽団の音楽監督であるとともに、京フィルのミュージックパートナーでもあることから、京フィルの要請で実現しました。
演目は「スピリット・オブ・トラディション」(ベチリ作曲)、「室内管弦楽のためのディベルティメント」(イベール作曲)、「弦楽セレナーデ ホ長調 作品22」(ドボルザーク作曲)。
「スピリット─」は、バルカン半島全域のリズムやメロディーを使い、民族共栄を願って書かれたもの。ベチリ氏はコソボを代表する作曲家です。
当日は、「スピリット─」をバルカン、「室内管弦楽の─」を京フィル、「弦楽セレナーデ」を両楽団で合奏します。
栁澤さんは「ボスニア紛争中もコンサートを続けてきた女性や、生家がセルビア系住民の居住地となって帰れなくなってしまったというアルバニア系の男性など、様々な体験、思いをもった団員が京都に来ます。聞く機会のない重厚感のあるバルカンの音をぜひ聞きにきてください」と語ります。
午後6時半(6時開場)。一般4500円(前売り4000円)、25歳以下1500円(前売り1000円)。京フィルTEL075・212・8275。