交流会で報告する金井事務局長

 「より豊かな学校給食をめざす京都連絡会」と「小学校のような中学校給食をめざす京都連絡会」は9月30日、「中学校給食をすべての子どもたちに」をテーマにした学習会を京都市内で開き、府内で全員制中学校給食が未実施となっている自治体(京都市、宇治市、亀岡市、京田辺市)での課題と運動を交流しました。

教育、子どもの利益の観点で実施方式検討を

 「より豊かな学校給食をめざす京都連絡会」の金井多恵子事務局長は、現時点で未実施の4市を含め府内全自治体で、全員制の中学校給食実施へのめどがついたなかで、「教育としての学校給食の実現に向けて、交流し運動に生かしていこう」とあいさつしました。

 金井氏は、京都市では検討会議が開かれ、実施方式や実施時期などが話し合われているが、アレルギー対応や食育の観点から「学校調理方式」が優れていることは歴然と指摘。教育の一環としての給食のあり方、子どもの最善の利益を保障する観点などから、実施方法を考えなくてはいけないと強調しました。全国で広がる給食無償化や無農薬の食材を取り入れる給食運動についても紹介しました。

 運動交流では、センター方式で実施予定の京田辺、宇治両市、2028年度の実施に向け実施方式を検討している亀岡市、今年度中に答申が出される京都市の取り組みを、それぞれの運動団体が報告しました。

 亀岡市では、同市長選(15日告示、22日投票)の争点にして、早期実現と無償化の運動を広げていること、京都市では、▽学校調理方式でつくる全員制の中学校給食の実施▽小中学校の給食費無償化—の署名運動を展開していることが報告されました。

 4月から給食がスタートした大山崎町では、同時に実施予定だった給食費無償化が、自民、公明などの反対で予算案が否決され、実施が見送られた下で、無償化に向けた新たな住民運動を広げていることが紹介されました。

 意見交流では、地域の食材支援活動を通して子どもの食を保障することの重要性や、昼食として、学校に菓子や簡易な加工食品を持参する生徒がいる実情などが出され、中学校給食の果たす役割への期待が語られました。