元塔南高校の第1と第2の二つのグラウンド=京都市の説明資料から

 京都市教育委員会が実施予定の全員制中学校給食をめぐり、南区の元塔南高校の第1グラウンドに巨大給食センターを設置する方針を発表したことを受け、南区の住民などから同グラウンドへの給食センター設置に反対し、元の公園に戻すことや運動グラウンドとして市民が活用できるよう求める陳情書がこのほど、市議会に提出されました。

 提出したのは南区や右京区の住民らで、9件の陳情書が出されました。

 元塔南高校には第1、第2の二つのグラウンドがあり、移転先の市立開建高校(南区)のグラウンドが現在、整備中のため、今年度までは部活動で使用することになっています。

 市は今後、第1グラウンドはもともと東吉祥院公園だったことから公園を廃止。市内1カ所となる巨大センターを設置し、63校・2万6000食を調理する方針です。第2グラウンドや元塔南高校校舎のある敷地は売却し、「有効活用」する方針としています。

 「第1グラウンドを元の公園に戻す」ことを求めた陳情書では、「市のスポーツ施設が少なく」、「民間のスポーツ団体や地域のスポーツクラブで取り合っている状況」で、「今年には下鳥羽球技場や宝ヶ池公園の改修が行われ、さらに会場不足が見込まれる」と指摘。第1グラウンドは公園として再利用することや運動グラウンドとして地域のスポーツクラブが使用できるよう要求しています。

 併せて、同グラウンドに設置予定の給食センターについては、周辺道路は既に混雑しており、給食搬送用の車両が加われば、一層の交通渋滞や通学路の安全も確保できるのかと指摘し、「建設に反対する」としています。

 また、「第2グラウンドの活用」ついても陳情書が提出されました。陳情書では、第2グラウンドはナイター設備もあることなどを上げ、「スポーツ発展のために使用できるよう」求めています。