核兵器と戦争のない世界へともに 京都の被爆者らがカトリック平和団体と交流 京都宗平協
京都宗教者平和協議会(宮城泰年理事長)は3月6日、カトリック平和団体「パックス・クリスティ」の米国人メンバー9人と清水寺(京都市東山区)で交流しました。核廃絶や戦争のない世界を目指す平和への思いを分かち合いました。
パックス・クリスティ(「キリストの平和」という意味)は、第2次大戦直後の1945年にフランスの信者が立ち上げた平和運動を、ローマ教皇ピウス7世が「カトリック平和運動」と称し、世界に広めてきたもの。2016年に核軍縮に向けた作業部会を組織内に立ち上げ、国際核兵器廃絶キャンペーン(ICAN)の事務局にも参加し、19年のフランシスコ教皇の広島・長崎訪問を実現しました。今年1月にはニューヨークの国連本部前で、核兵器禁止条約発効3年を記念し、米国に核兵器禁止条約に参加するよう求める集会を主催。現在、世界60カ国に支部があります。今回の訪問は、広島・長崎を目的地とする平和と和解の巡礼の一環として、京都の被爆者や平和活動家との対話を目的に行なわれました。
国連本部前の集会にも参加したローズマリー・ペイスさんは、核廃絶に特別の関心を持っていると述べ、「被爆者の方々の体験を学び、アメリカに核廃絶を強く促す運動につなげたい」と発言。米国が保有する核弾頭の8割の部品を製造する工場のある、カンザスシティ(ミズーリ州)出身のアン・スレントロップさんは、多くの工場作業員らが被ばくしているといい、「悪いニュースですが、工場が拡大し、この先30年間で2兆円規模の核兵器製造が計画されている」と批判しました。
布に平和への思いや絵、サインなどを書き、ひもでつないでいく米国の反核平和運動「ザ・リボン」について発言したミシェル・ペパーズさんは、原爆投下から40年の1985年に、原爆ドームと米国防総省をそれぞれリボンで囲むなど、世界各地でザ・リボン運動が取り組まれていることを紹介しました。
日本からは京都原水爆被災者懇談会の花垣ルミ代表世話人が、被爆後記憶をなくし63歳で記憶が戻った体験、三山正弘さんは胎内被爆者として語り部を続けている活動を話しました。
「6・9行動」で核廃絶訴えも
このほか、京教組女性部の「6・9行動」や「ふりそでの少女像」建立と子どもたちの平和活動、「圓光寺オマールさんの会」が地元の小学校で取り組んでいる平和教育などが報告されました。
交流会に先立って、清水寺境内で取り組まれた「6・9行動」にはパックス・クリスティのメンバーらも参加し、核廃絶署名を市民らに呼びかけました。