元理事担当の他の入札も調査へ 共産党・今西議員の追及に町長答弁 宇治田原町汚職事件めぐり
宇治田原町議会3月定例会一般質問が3月6日行われ、日本共産党の今西利行議員が、同町発注の公共事業をめぐり加重収賄と官製談合防止法違反などで光嶋隆・元理事が先月、再度有罪判決を受けたことをめぐり、元理事の最初の逮捕以後、同町が「再発防止」を掲げながら、今回有罪となった違反行為が見抜けなかった責任、西谷町長が元理事を「特命担当」に任命し、建設事業を一任していたことなどを追及するとともに、徹底的な調査と原因究明を求めました。
町はこれまで光嶋元理事の逮捕案件と公判で判明した案件のみ調査してきましたが、この日の答弁で西谷町長は2015年度を起点に、2020年度までの一定金額以上の入札を対象に調査することを明らかにしました。
光嶋元理事の最初の逮捕後、日本共産党町議団は町に対し、町の責任による徹底調査と第三者による検証、議会に対しては百条員会の設置などを求めましたが、町は第三者委員会を設置したものの「捜査機関ではない」(西谷町長)などとして、調査範囲を前回罪に問われた事件と公判中に明らかになった事件に限定。今回の事件を見抜くことはできませんでした。町議会も百条委員会は設置しませんでした。
今西議員は、「これまで見逃してきた責任をきちんと認めるべき」と指摘。「事件が起きた背景やその原因を究明するのは、警察ではなく、町の責任」として、町が責任をもって真相解明するよう求めました。
入札調査について、町長が「不正の事実を指摘したり、認定するものではない」と答弁したことから、今西議員は、「必要に応じて警察への情報提供および再捜査をお願いすることも必要」と重ねて追及しました。
また、今西議員は、町長が元理事に行政組織規則などの定めのない建設事業の「特命担当」に任命したことが、不祥事を生んだ背景にあるのでは、と町の認識をただしました。
町長は、議会からも、「特定の個人の能力に依存しすぎることは問題である。また、組織的に不明瞭である」などの指摘があったとして、「真摯に受け止める」と答弁しました。