全労連・国民春闘共闘「全国統一行動」に呼応して、京都総評傘下の労働組合は3月14日、府内各地でストライキや社会的アピール行動を展開し、大幅賃上げや処遇改善を求めて声を上げました。

京都医労連 経営者協会に初めて要請も

 医療従事者でつくる京都医療介護労働組合連合会(京都医労連・勝野由起恵委員長)は、医師・看護師らの大幅賃上げと大幅増員による処遇改善を訴え、日赤労組や民医労が各院所でストライキを決行したほか、他の労組も宣伝や集会に決起。ケア労働者の賃上げに必要な財源を診療報酬・介護報酬再改定などで措置することを経団連や国に求めるよう、今回初めて京都経営者協会にも要請を行い、同協会事務所前の四条烏丸(京都市中京区)で宣伝しました。

 宣伝には約50人が参加し、「物価上昇に負けない賃上げを」と訴え、人員増員と処遇改善を求める国会請願署名を呼びかけました。坂田政春書記長は、「昨年も今年も、医療や介護、ケア労働者の賃上げがほぼない」と述べ、報酬改定の引き上げの抑制を求めた経団連にも、医療や介護への予算措置を行うよう働きかけを続ける意向を表明しました。

 医療現場からは、「離職した後に人が補充されず、施設の一部閉鎖や廃業が広がっている」「低賃金で募集しても人が来ない悪循環にある。正規看護師でも他病院で当直アルバイトを掛け持ちしている」など、実態を告発。「6000円くらいの賃金アップでは、物価上昇に追いつかない」と訴えました。

 就業後1時間の時限ストを実施した第二日赤労組は、院内で患者に、全医労の「安全・安心の医療・介護実現のため人員増と処遇改善を求める」国会請願署名を呼びかけました。

 福祉保育労働組合京都地方本部(大西謙委員長)は、「私たちの人権を守れ 3・14福祉職員賃上げ・増員アクション!」と銘打ち、ストライキ、宣伝、パレードに終日取り組みました。

「処遇改善へ国庫負担引き上げを」こぶしの里分会は初ストに

 高齢者福祉施設の職員でつくる「こぶしの里分会」が、介護業界の人員不足や低賃金などの改善を政府に対して求めようと、初めてストライキに立ち上がりました。メンバー9人は、「#ストなう。」の黄色のそろいのTシャツを着て、記者会見や街頭でアピール。川上裕之分会長は、全産業平均から7~8万円低い賃金と深刻な人員不足にある介護現場の実態を告発し、「介護職員の処遇改善には介護報酬の引き上げが必要。利用者に負担増を求めるのではなく国庫負担の引き上げを」と訴えました。

 また、職員らが施設での夜勤労働やヘルパーの処遇を紹介し、「訪問介護の基本報酬の大幅引き下げは、ありえない」と厚労省の24年度の介護報酬改定に抗議しました。

 北野白梅町(京都市北区)の宣伝では、「ヘルパー報酬引き下げ撤回」「人手不足もう限界」「ロボットでは介護はできません」とプラカードを掲げ、リレースピーチで市民にアピールしました。

 夜には、保育士、学童職員、介護職員らが、「私のガマンももう限界!」と政治決断による大幅賃上げと職員増を求めて、京都市役所前から河原町通を行進しました。

梶川議長 ケア・中小・非正規の賃上げ、処遇改善こそ

 各地の行動に駆け付けた、京都総評の梶川憲議長は、大企業は5ケタの賃上げもいわれているが、ケア労働者や中小企業で働く労働者、非正規労働者にはその波は及んでいないと指摘し、「この分野への賃上げ、処遇改善なくして、今年の春闘は終われない」と表明。ケア労働者の賃上げについて、報酬改定に関わった財界や政府関係者に対して抗議し、「すべての人の賃上げをめざし、どこの職場も団結してがんばろう」と激励しました。

 7日には、JMITUが京都でも170人でストを実施。14日は、京都生協労組もストライキを行い、京建労が南部と北部で集会を開催。公務の労組も連帯して行動していることを報告しました。