北島さん。手にしているのが新作の「キボウ」

 染色家として40年、ろうけつ染めに取り組んできました。若い頃は美しく、感動したものを作品に描きました。2015年に恩師に誘われ、「いま、平和のために非戦を願う美術家たち(通称=9美の会)」に加わり、毎月9日、四条河原町でのスタンディングに参加するようになり、作風が変わってきました。

 同作品展で衝撃を受けた作品があります。兵士のヘルメットに穴が開いた「声」というタイトルの林康夫さんの立体作品です。見ているだけで戦地の悲惨さ、家族の悲しみを感じました。昨年末に亡くなった母が中学生の頃、米軍の機銃掃射を受けた時の恐ろしかった話を思い出しました。

 知り合いに戦前から戦争に反対していたのは共産党だけだと聞きました。戦争を止めるのはミサイルではなく、憲法9条を生かした平和外交による話し合いからとの主張は、その通りだと思います。

 自公政権が過去最高の軍事費で戦争する国へ突き進んでいる中、軍事費よりも暮らし、福祉、教育へ税金を使ってほしい。2人の子育てをしながら両祖父母ら8人を介護し、看取ってきた実感です。

 新作は、平和への思いを込めた「キボウ」です(写真)。暗闇から輝く雲に向け、サンシュユの花を咲かせました。花言葉は「変わらない強さと愛」です。(京都市山科区)