小川さん

外務省の説明に欺瞞感じる

 性暴力の問題を中心に取材をし、沖縄で起きた米兵による16歳未満の少女への性暴力事件(23年12月)の裁判の傍聴にも出向いています。この事件は、外務省が、〝被害者のプライバシー保護〟を理由に防衛省にも沖縄県にも通報せず、今年6月になって知られることになりました。〝被害者のプライバシー保護〟という言葉には欺瞞(ぎまん)を感じます。

 それは、性暴力被害者のための相談やケアを担う施設にお金をかけない実態があるからです。国や府からの補助金不足で、大阪府ではワンストップ支援センターが存続の危機に立たされています。

 戦争したい人、見栄を張りたい人たちは、軍事の備えや万博建設の予算を優先させ、性暴力被害や貧困に苦しむ多くの女性の支援にはお金をかけません。

 声をあげる女性への攻撃が、特にSNS上では強くなっており、声をあげて変えた前進面がある一方で、声をあげにくくさせる空気がつくられていくのは怖いと感じます。

選択別姓導入に反対する議員減らして

 これは日本に根強く残る家父長制による権力構造があるからだと思います。日本のジェンダー平等を遅れさせている家父長制の温存はしないでほしい。

 総選挙では、選択的夫婦別姓制度の導入に反対する議員を減らし、実現に踏み出す政治に変わってほしいです。地方議会で導入を求める意見書が広がり、日本経団連も要求するまでになっているのですから。