西田議員が22年7月に配信した動画

 27日投開票を迎える衆院選の重要争点の一つが、自民党と統一協会=勝共連合との癒着の問題です。京都選出の西田昌司参院議員(同党京都府連会長)は、安倍晋三・元首相襲撃事件が起こった2022年7月、自ら配信した動画の中で、実父である西田吉宏・元参院議員が京都府議選に立候補した際、統一協会の支援を受けていたと証言していました。

 西田氏は、統一協会と、もう一つの政治的側面の「国際勝共連合」とは、「表裏一体」であるとし、「反共」を政治信条として運動している点で「自民党と非常に近い」と親和性を〝吐露〟。さらに、「勝共連合の方に、自民党の議員の中には、ビラ配りをお願いし、自分たちの選挙の政治活動などに協力してもらう方がいるのを聞いている」「父が初めて府会議員(選挙)に出たとき、勝共連合の方が、何人かお手伝いしてもらったことは知っている。真面目な好印象の方々だった」と証言しました。

 続けて昌司氏は、「そこまでしかわれわれの付き合いはない」と弁明しましたが、これは事実ではありませんでした。

 父・吉宏氏が、府議選(京都市南区)に初当選したのは1971年。吉宏氏と勝共連合=統一協会との関係はこの後、さらに深まっていきます。

 73年には、府議・京都市議ら28人が訪韓し、韓国の勝共連合本部で反共教育を受けことが地方紙「城南新報」(現「洛タイ新報」)に報じられましたが、吉宏氏はこの訪韓団の内の一人でした。

 さらに84年、勝共連合が大阪で開催した「アジアの平和と安全を守る関西大会」のパンフレットには、「関西大会参与」「京都・南支部長」の肩書きで紹介されていました(写真下)。一度支援を受けただけでなく、筋金入りの“勝共活動家”だったのです。

 なお、84年、勝共連合が大阪で開催した「関西大会」は、脱税により米国で収監された開祖・文鮮明の〝救済〟と有事法制「スパイ防止法」制定を目指して全国7カ所で開いた大会の一つ。

勝共連合「関西大会」パンフに京都選出の衆参国会議員ズラリ
 

 同大会のパンフレットには、大会の顧問として京都の野中広務谷垣禎一伊吹文明奥田幹生各衆院議員、上田稔植木光教両参院議員(いずれも自民党議員)が紹介され、西田氏の動画と併せて、「京都ではほとんどの自民党国会議員と関係結び、支援した」と本紙が10月23日付で報じた、元統一協会広報部長の大江益夫氏の証言を裏付けています。

 「関西大会」のパンフレットで顧問として紹介された京都以外の国会議員は次の通り。

【大阪】〈衆院議員〉 湯川宏、中山正暉、原田憲、塩川正十郎、佐藤恵、北川石松〈参院議員〉中山太郎、森下泰
【兵庫】〈衆院議員〉原健三郎、砂田重民、〈参院議員〉石井一二
【滋賀】〈衆院議員〉宇野宗佑、山下元利〈参院議員〉河本嘉久蔵
【奈良】〈衆院議員〉奥野誠亮、鎌田忠三郎、吉田之久〈参院議員〉堀内俊夫、新谷寅三郎
【和歌山】〈衆院議員〉中西啓介、玉置和郎、二階俊博、東力〈参院議員〉世耕政隆、前田勲男

「国際勝共連合創始者文鮮明師の闘い」と題した映像上映などが行われた勝共連合関西大会のプログラム。同誌で「京都・南支部長」と紹介された、京都府議時代の西田吉宏氏(右下)

「関西大会」で「顧問」として紹介された、近畿各府県の自民党国会議員ら