統一協会癒着 嵐山にあった自民「秘書」養成所/選挙支援の一環、第2次安倍政権下で復活
27日に投開票を迎える衆院選は、統一協会=勝共連合との癒着し、政治をゆがめてきた自民党に審判を下すチャンスです。統一協会=勝共連合による選挙支援は1986年7月の衆参同日選挙を機に本格化したとされ、その戦略の一つが自民党候補に、統一協会員の秘書を送り込むことでした。その秘書を養成する重要な舞台となったのが京都を代表する観光地・嵐山(京都市西京区)にあった元観光旅館「嵯峨亭」でした。
京福電鉄嵐山駅を降り、渡月橋を渡って南へ400㍍ほどいったところにあった「嵯峨亭」。1980年代に、統一協会の研修所として使われるようになり、87年10月には、土地・建物が統一協会の所有となっています。
当時、中堅幹部として活動していた統一協会員の話によると、86年7月の衆参同日選前、保守系議員の秘書として潜り込ませるための特別研修があり、▽統一協会に入る前に会社秘書の経験がある者▽容姿端麗――などの条件で、全国から若い女性会員が集められたと言います(本紙88年4月10日付)。
同日選直後にも全国から91人の女性協会員が「嵯峨亭」に集められ、約2週間、原理講論などの研修が行われ、関西一円を「勝共カンパ」にまわった後、神戸市須磨の修練所で秘書マナー研修、「嵯峨亭」でスピーチの仕方など「話し方教室」が行われたことが、京都出身のジャーナリスト有田芳生氏(立憲民主党元参院議員)の著書『改訂新版 統一教会とは何か』(大月書店)で明らかにされています。
2013年参院選候補の事務所にも
統一協会の秘書戦略はその後も続きました。霊感商法に対する批判が高まった80年代後半に、自民党への選挙支援は一時、沈静化しますが、「改憲を目指す安倍政権の下で本格化」(大江益夫・元統一協会広報部長)しました。
2013年の参院選で自民党は比例区に元産経新聞記者の北村経夫氏を擁立します。同陣営の福岡選挙事務所で働いていた男性は本紙の取材に対して、「まったく化粧をしない女性秘書がいて、その人が統一協会員だった。関西の勝共連合も支援をしていた。北村氏が統一協会の支援を受けていると知った保守の支援者が激怒して事務所に抗議の電話をかけてきたことは忘れられない」と当時の様子を語りました。
自民党地方議員のブログに、北村氏は「安倍総理が自らお願いをして出馬をされた候補者」と書かれていたことがジャーナリスト鈴木エイト氏の『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』(小学館)で明らかにされています。