機銃掃射の跡とみられる弾痕が残されている弾薬庫を参加者に説明する荒田さん(11月10日、京丹後市)

 旧峰山海軍飛行場(京丹後市)の記録・記憶の継承に取り組む住民団体「『海軍峰山飛行場の遺産や関連するものを保存し活用する会』の結成準備会」は11月10日、飛行場跡地の見学会を開き、地元住民ら約40人が参加しました。

 同準備会は今年9月に発足。飛行場に関する海軍の記録、住民や元隊員の証言などの継承とともに、現存する格納庫や弾薬庫などの遺構の保存・活用を目指しています。

 この日の見学会には、地元をはじめ近隣市町や関東からも参加者があり、同準備会の荒田保次さんらの案内で、格納庫や弾薬庫など5カ所をめぐりました。

 格納庫や弾薬庫などは戦後、民間の所有となっています。格納庫は現在、民間の倉庫として使用されていますが、屋根にさびが広がるなどかなり傷んでいます。荒田さんは、所有者だけに頼らない保存のための取り組みが求められている、と参加者に訴えました。

 農地の中に残された弾薬庫の壁には、機銃掃射の跡とみられる複数の弾痕が残されています。荒田さんは、戦中に飛行場が複数回の空襲を受けたことを説明するとともに、空襲に関する住民の証言を紹介しました。

 参加した80代男性は、海軍飛行場の歴史や元隊員の証言を発信するホームページを運営していると言い、「新たな継承の取り組みがでてきたのはありがたく、高齢の私に代わってホームページの運営も引き継いでもらえないかと考えている」と話していました。

保存・継承に「意欲が湧く」

 見学会を終えて荒田さんは、「多数の方に参加していただき、これからの保存・継承の取り組みに向けた意欲が湧くものとなった」と話していました。