総選挙公約では「高等教育の無償化を大胆に進めます」と明記していました(自民党政策パンフレット)

 政府は11月22日、日本共産党の堀川あきこ衆院議員が提出した大学の授業料値上げストップや高等教育無償化についての質問主意書への答弁書を決定しました。

 高等教育無償化を掲げた自民党の選挙公約を棚上げした内容で、堀川氏は、「学生の学費無償化の願いにまったく応じない内容。今後も運動と結んだ国会論戦で、無償化を実現させたい」としています。

 堀川氏は主意書で、東京大学が2025年度からの授業料値上げを決めたことや、私立大学でも授業料値上げの動きが広がっていることについて、日本も批准する国際人権規約の「高等教育の漸進的無償化」を「骨抜き」にする動きだと指摘。石破首相が9月の自民党総裁選で「国立大学・高専の授業料無償化」を掲げ、総選挙で自民党が「高等教育無償化」を公約としていたことを示し、「直ちに『国立大学・高専の授業料無償化』に取り組むか」とただしました。答弁書では授業料無償化の早期の実現には触れず、現在実施している施策を並べるだけで、自民党公約を棚上げする姿勢でした。

 堀川氏が授業料値上げ抑制のため、十分な国立大学運営費交付金の措置を迫ったのに対しても、答弁書は「必要な予算の確保に努める」とするにとどまりました。値上げの背景に同交付金が不十分なことがあるとの指摘にも、授業料額の設定は「各大学の設置者においてさまざまな事情を考慮して判断される」などと無責任な姿勢でした。

 また、堀川氏は私立大学に対する国の補助を「できるだけ速やかに2分の1とするよう努める」とした1975年の参院文教委員会の付帯決議に即し、経常費補助2分の1の実現について追及。しかし答弁書は財政状況を理由に「速やかに達成することは困難」だと背を向けました。

給付奨学金支給取り消し「実態把握を検討」

 一方、学業要件で給付奨学金の支給が取り消しとなった学生の実態把握を求めたのに対しては「今後、必要に応じ、その実態の把握について検討したい」としました。

堀川議員

高学費に苦しむ学生の実態に寄り添わず

 堀川議員の話 自民党が公約で「高等教育の無償化」を掲げているにもかかわらず、これまで実施してきた施策を並べるだけで、学費無償化への具体策は何もありませんでした。高い学費に苦しみ、アルバイト漬けになっている学生の実態にまったく寄り添っていません。学費の値上げについても他人事のような回答で、値上げストップを求める世論とかけ離れています。

 給付奨学金の学業要件での取り消しについての実態把握は、「検討する」と回答しました。しっかりと実態をつかみ、すべての学生が給付奨学金を受給できる仕組みに改善すべきです。

 今後も府内の大学門前などで学費無償化の署名を呼びかけながら実態をつかみ、国会へ署名を提出していく予定です。運動と結んだ論戦で学費の無償化を実現させるため、全力をあげます。