日本被団協のノーベル平和賞受賞を機に、ヒバクシャ運動や核兵器廃絶について考えるイベント「花垣ルミさんと一緒にノーベル平和賞を祝う会」が11月30日、京都市中京区の京都生協コープ御所南ビルで開かれました。

 主催は、京都生活協同組合、京都府生活協同組合連合会、NPO法人コンシューマーズ京都。京都生協の活動を中心に振り返り、核兵器廃絶に何が必要か世代を超えて考えようと、被爆者の花垣ルミさん(京都原水爆被災者懇談会世話人代表)、京都生協の姜美名(カンミミョン)副理事長、「核兵器をなくす日本キャンペーン」の倉本芽美(めみ)さん=立命館大学3回生=が報告し、意見交流しました。

 花垣さんは、自身の被爆体験を振り返る紙芝居「おばあちゃんの人形」の語りの後、幼少期の記憶を取り戻すきっかけとなった京都生協のピースアクション㏌ヒロシマ(2003年)からひも解いて、被爆当時の家族の行動や自身の平和活動を紹介しました。

 姜さんは、京都生協が1980年代から平和運動に取り組み「命と暮らしを守る活動」として広げてきた歴史と自身も参加した国際署名や行動の経験を報告。厳しい被爆体験を語ってきた当事者に敬意を表し、「当事者でないものの責任は記憶の継承だと思う。無関心でいても無関係ではいられません」と話しました。

 核兵器をなくす活動に取り組む倉本さんは、核兵器をつくる企業への投資をやめるよう金融機関に求めることや、核廃絶に向けた議員や政党の動向を監視する活動などを紹介。戦争体験者が減る中での課題として、「記録でなく記憶を継承することが大事」と話しました。

 ノルウェーで開かれるノーベル平和賞の授賞式(12月10日)と関連行事に、被爆者の一人として参加することを紹介された花垣さんは、「(当地で)発言の機会も得た。一日も早く日本が核兵器禁止条約に参加するよう訴えてくる」と話し、参加者から激励を受けました。