北陸新幹線延伸工事 立坑から10年以上毎日ダンプ63台「地域の一大事」/ルート上想定の右京区鳴滝で住民団体が学習会
北陸新幹線延伸計画の問題点をルート通過が想定されている地元から考えようと署名行動などに取り組んでいる京都市右京区の「宇多野安心・安全な街づくりの会」「高雄住民有志の会」が12月15日、同区鳴滝にある浄土宗寺院「西寿寺」で学習会を開催。「北陸新幹線延伸計画の環境アセスメントの一旦停止を求める会」の榊原義道さんを講師に住民ら30人が交流しました。
両会は、ルート案で立抗(トンネルに向かって掘られる通路)が予定されている京都市北部クリーンセンターに近く、ルート上に地域の生活道路である国道162号があることから、鉄道・建設運輸機構が昨年7月に行った地質調査の目的や結果などについて、知事宛に説明会開催を求める要望署名に取り組んでいます(同17日に4000人分を提出)。
榊原氏は延伸計画を推進しているのは自民、公明の国会議員8人でつくる与党整備委員会で、事務局もなく、国の認可もおりていない無責任な体制だと指摘。世論に押されて知事や京都市長をはじめ、自民党の府会議員の中でも疑問の声が出されていると述べました。
右京区京北から南丹市美山町にかけてのヒ素の分布図や掘削残土の搬出量、シールド工法による地下水への甚大な影響などを資料を示して解説し、「予測では立坑からの残土搬出は1日約63台のダンプカーが出る。これが10年以上続くことを想像してほしい。162号での交通量の調査や説明会を求めて、地元から意見、声をどんどん上げてほしい」と呼び掛けました。
参加者からは「一大事だ。昨年7月から3カ月間地質調査が行われたが、地元には何の説明もない。162号にダンプが通れば、歩道との隙間は約15㌢。子どもや高齢者の安全は確保できるのか」「こんな大変な工事で住民に何も知らされないことがあってはならない」など意見が続出。地元の神社関係者も出席し「話を聞き、これは大変な事だと思った。もっと与党議員も一緒になって声を上げてほしい」と話していました。
日本共産党の島田敬子府議団長が府議会での論戦を紹介しました。