議会事務局に請願を提出する湯浅六花さん(12月23日、宇治市役所)

 学校のルールの公開、生徒が主体となりルールメイキング(*)の議論ができる風通しの良い環境をつくってほしい—―と宇治市立中学に通う湯浅六花(ろっか)さん(15)=宇治市=が12月23日、「市立中学校の校則の在り方についての請願」を宇治市議会に提出しました。

 要請項目は、▽さまざまな立場の生徒も交えて学校のルールメイキングができる土壌をつくる▽生徒が自己決定・自己判断のもと自主的に行動できる雰囲気を宇治市全体でつくる▽学校のルールをホームページに掲載し、作成経緯も含めて、いつでも確認できるようにする—―ことの3点。市と同市教育委員会に求めています。

 請願提出に至る直接の動機は、今年の夏休み明けに髪を染めて登校した際、納得できる禁止理由が得られず、校則として明示・公開もされていないことに疑問を抱いたことでした。

 湯浅さんは、中学1年生の時に府外のインターナショナルスクールに通っていたことがあり、服装も染髪も自由で、約束事を生徒が決めて守る取り組みを経験しました。今回の染髪の件を機に校則について調べる中で、校則を廃止した学校があること、「児童の権利に関する条約」の理解を盛り込んで改訂した文科省の「生徒指導提要」(22年改訂)の内容を知り、「今の学校のルールは見直されるべき」と思い至りました。

 請願趣旨説明では、登校しづらい自身の経験にも触れ、「学校に行きにくいと感じてきたとの大きな理由の一つが、納得できないルールの存在とそれによる同調圧力のような雰囲気なのではないかと思っています」と打ち明けています。

 また、周りの大人にも相談するなかで、議会請願という方法での意見表明を選択。今年6月に神奈川県大和市の小学5年生が同市議会に請願を提出したことをニュースで知り、「年下の行動に力を得た」と話しています。

 また、請願趣旨とは別に「私の前例があることで、他にも意見を言いたい人が声を上げやすい環境になってほしい」との期待も語っています。 

 同請願は2025年1月、付託された市議会常任委員会で審議される予定です。

 宇治市では、中学生による請願は初めて。22年2月には高校生が、選択的夫婦別姓導入を求める意見書の請願を提出(後に採択)しています。

(*)ルールメイキング 学校の校則・ルールの対話的な見直しを通じて、みんなが主体的に関われる学校をつくっていく取り組み。