京都府への申し入れ。西脇隆俊知事に申入書を手渡す宮城氏(2024年12月19日)
京都市への申し入れ。松井孝治市長に申入書を手渡す宮城氏(2024年12月27日)

「京都が京都でなくなる」「1200年の歴史と未来ゆらぐ」

 京都府内を縦断する北陸新幹線延伸計画について、京都仏教会(有馬頼底理事長)は、京都府(12月19日)と京都市(同27日)を訪れ、京都の地下を通過する同計画は「千年の愚行」であり、延伸計画の再考を求める申入書を、西脇隆俊府知事と松井孝治京都市長にそれぞれ手渡しました。宮城泰年常務理事(聖護院門跡門主)らが知事と市長に面会しました。

 京都仏教会は宗派の違いを超え、約1100の寺院で構成されています。申入書では、同計画の「小浜―京都ルート」は長大な山岳トンネルと大深度地下トンネルで計画され、「京都の地下水への悪影響(水位低下、枯渇、汚染・汚濁)」の恐れがあると指摘。水の恵みは伏見の酒造りや豆腐、和菓子、京料理などにいかされており、「豊かな水の恵みによって成り立っている京都が京都でなくなる」「京都の1200年の歴史と未来が揺らごうとしている」と強調しています。

 また、市内の名刹(めいさつ)の直下を通るルートが設定されており、国宝や重要文化財への影響も危惧されるとし「到底、看過できない」としています。

 西脇知事は「真摯(しんし)に受け止め、適切に対応していく」と表明。松井市長は、「重く受け止める」「市民に対してしっかり説明責任が果たしたい」などと述べました。