目を引くデザインの投稿画面。(上から)インスタグラム、エックス、ティックトック

 「SNSに強い党になろう」─―日本共産党は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を政治闘争の新しい舞台として、選挙勝利と党づくりの戦略の一つに位置付けています。発信力の強化、発信の仕方の工夫に挑戦している党支部が京都に・・・。メンバーを訪ねました。(文中はすべて仮名)

 党の魅力や政策を届ける活動としてSNSの活用を始めたのは、京都市西京区の福西支部「まんなか班」です。人生のちょうど真ん中あたりで、仕事・子育ての現役世代がメンバーです。

 福西地域は洛西ニュータウン(NT)の南東地区に位置し、入居が始まった1980年代から40年を超え、各地のNT同様に高齢化も進んでいます。党支部も世代や会議の参加条件によって班分けし、会議を開いています。

ショート動画で見せ方工夫

 SNS活動のきっかけは、昨秋の衆院選に向けた取り組みの議論から。親世代と違い、支持を広げる際に対面でのアプローチに「苦手」意識があったと話すメンバーですが、SNS強化の呼びかけに、「これならできる」と踏み出しました。

 主要なSNS(*5種)で「福西まんなか班」のアカウントを開設し、プロフィールに「私たちは、平和で公正な社会を目指し、#日本共産党の理念を伝える活動をしています」と宣言。投稿内容は、24年衆院選の政策を皮切りに、日本共産党綱領、「あなたの?(はてな)」に答えるシリーズをラインナップしています。

 注目は、その見せ方の工夫です。政策は、党の公式ホームページに掲載されていますが、「まんなか班」では、経済、外交、ジェンダー平等などの政策を、ネオンサイン看板風や政策内容に合ったイメージ画像とともにテキストが流れるショート動画に編集。BGM(背景音楽)も付けました。

選挙政策100項目すべて読み

 党綱領は、文章表示とデジタル音声の2パターンで紹介。原文を平易な言葉に置き換えて、優しい語り口と時短(音声で約15分短縮)を試みました。

 管理の中心を担うアユミさん(40代)は、準備段階で綱領を読み直し、選挙政策100項目もすべて読みました。そこで再認識したのが、党の政策が全国民を対象にしていること。「ほんとに誰ひとり取り残さない政策なのに知られていない。これは伝えなくては」と思いを強めました。

 10月の開設から2カ月ほどで、フォロワーの目標1000人を超過達成。投稿を見た人や「いいね」の反応は、2万8000人を超えた段階です。フォロワーを増やし、「いいね」やコメントの増加でより広範に情報を届けるのが課題。「#JCP」「#比例は共産党」など、#(ハッシュタグ)を付けた拡散を呼びかけています。

新しい時代の夜明け前

 衆院選の結果についてメンバーからは、「共産党の議席が伸びずに、なんで?」との思いは共通しますが、「与党が過半数割れ。自民党ではあかんっていう判断では」「堀川さんを送り出せたのは良かった」と新しい国会情勢の変化に期待が出されました。「選挙結果にガッカリしている場合ではない。今は新しい時代の夜明け前だと思っている」と、歴史の発展を長いスパンで見据える意見もあります。

 さて、今年は参院選の年。抱負を尋ねると、医療関係で働くアキさん(40代)は、「企業・団体献金も政党助成金も受け取らない共産党の姿や政策をもっと知らせたい」、昨年、憲法集会に初めて参加したマイさん(50代)は、「リアルな行動参加もSNSの拡散も、どちらも大事に取り組みたい」と話しました。

 「学費ゼロ」「戦争のない未来」を切実に願うヒカルさん(40代)は、「次は共産党の議席を増やしたい。班のSNSが党の姿を知らせるきっかけづくりになれば」と語ります。

 2025年から、衆院選政策100項目すべてを順次紹介するシリーズをスタートします。デザインを考案中のアユミさんは、「自分のできることで日本共産党への理解を広げることができればうれしい。党の情報発信ツールとして利用してください」と呼びかけています。

 *5種=X(旧Twitter)、Instagram(インスタグラム)、TikTok(ティックトック)、YouTube(ユーチューブ)、Threads(スレッズ)

フォロワー最多は「TikTok」■福西まんなか班の各SNS

 「福西まんなか班」の5種のプラットホームの合計フォロワー(お気に入りの登録者)は現在、約1300人超(昨年12月初旬)。多い順では、ティックトック(48.9%)、エックス(23.4%)、インスタグラム(11.5%)、スレッズ(9%)、ユーチューブ(6.8%)です。

 衆院選の期間中は1日3回発信。選挙後は、2日に1回のペースで投稿し、少しずつフォロワーが増えています。傾向としては、短い動画が特徴のティックトックで、若い世代の登録者(フォロワー)割合が高く、「福西まんなか班」の発信情報を見た人数も一番多くなっています。

 ちなみに、Facebook(フェイスブック)も当初は使用していましたが、若年層の利用率が低く閉鎖しました。

 福西まんなか班の各SNSアカウント

 X(エックス) x.com/fukunishimanaka

 Instagram(インスタグラム) instagram.com/fukunishi_mannaka

 TikTok(ティックトック) tiktok.com/@fukunishi.mannaka

 YouTube(ユーチューブ) ↓