条例骨子案の説明を行う富樫議員(左から3人目)

9月市会提案に向けて市民意見を募集

 京都市右京区の世界遺産・仁和寺の門前でのホテル建設が景観を壊すとして問題となるなど、京都市の世界遺産一帯の景観保全の在り方が問われる中、日本共産党京都市議団は2月13日、市独自に保全を強化する「世界文化遺産保護条例(仮称)」の骨子案を発表しました。

 日本で世界遺産条約が発効したのは1992年。京都市・宇治市・大津市にまたがる17遺産が「古都京都の文化財」として94年に世界遺産に登録され、うち14遺産が京都市に存在しています。ところが、その内の一つ、下鴨神社(左京区)では、周辺環境を保護するための緩衝地帯でマンション建設が強行。仁和寺門前でのホテル建設計画では、住民が許可の取り消しを求めて市を提訴するなど、保全・保護策は十分には行われてきませんでした。

 そのため、骨子案では条例の目的として、▽市としてより強い保護の意思表示をする▽保全に関する施策を総合的に進める▽議会の関与を明確にし、市民参加の仕組みを制度的に保障し、遺産保護をより確かなものにする─ことを掲げています。

 具体的保全策として、市民が市の措置に不服がある場合、新たに設置する世界遺産保護審議会に申し立てを行うことができるとしました。審議会は、申し立てを受けて検証を行い、必要であれば市長に建議することができるとしています。

 説明を行った冨樫豊議員は「議会で繰り返し条例制定を求めてきたが、これ以上待てない」と強調。その上で「他都市の例に学び、京都ならではの項目として、議会の関与や市民参加を盛り込んだ。開発計画の早い段階から審議会が検証することで、保全を図りたい」と述べました。

 条例案は9月市議会に提案する予定で、市議団は4月28日まで市民意見を募集しています。

 意見募集フォーム→ https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScYxlWdr_rYDVdYCIg57TRpWPTgB8bvP4UoR4JVN_r3VolCzw/viewform

 骨子案などの問い合わせ☎075・222・3728(同市議団)。