KBSで17年ぶりに夜のニュース番組復活へ 労組が「再放送」案撤回させ実現/市民の集いで報告

テレビ・ラジオ放送局KBS京都(京都市上京区)の労働者でつくる民放労連京都放送労組は2月17日、4月からの番組改編を巡る問題で「緊急市民の集い」を開き、会社側のニュース番組再放送案を覆し、組合が主張した生放送が実現することを報告しました。
同労組は、1月23日に会社から示された、夕方5時台のニュース番組の録画を、新たに設ける夜のニュース枠(10時台)で再放送する案に対し、「番組購入費を削るためか?」「ニュースは生放送が基本」と反対し、生放送の実施を要求していました。
連日のニュース発行、スト権や署名の準備を進めるなか、会社側は2月7日、再放送を撤回し、「生放送」で実施すると回答しました。これにより、17年ぶりに同局での夜のニュース生放送が復活します。
交渉の経過を報告した同労組の古塚幸一郎委員長は、再放送反対にとどめず、スタッフが団結して、生放送で実施するという前向きな提案をして勝ちとったことを強調し、「会社の専権事項である『編成権』を覆した画期的な成果だ」と評価しました。
組合が求めた番組スタッフ配置については現状維持にとどまっており、引き続き、成果を形にするため、ニュース内容の充実や人員体制増を要求すると報告。
「夜のニュース番組を制作することは、働き方の点で逆行するかもしれないが、現場の足並みは乱れていない。春闘要求に位置付け取り組む」と表明しました。
集いでは、朝日放送元アナウンサーの戸石伸泰さんが講演。ニュース報道のあるべき姿と果たす役割について述べ、「夜のニュース番組の制作費も勝ち取ってほしい」と激励。同労組の古住公義特別執行員が、KBS再建闘争の歴史に触れて、「市民に開かれたKBS」であり続けることの重要性を紹介し、参加者らと意見交流しました。