報告する宮内事務局長

 京都市の敬老乗車証制度の改悪撤回を求める住民団体「敬老乗車証守ろう! 連絡会」が3月1日、「敬老乗車証と公共交通を考えるつどい」を京都市内で開催しました。

 宮内尚志事務局長が、敬老乗車証制度がバス事業で果たしている役割について報告。市が一般会計から市バス事業に毎年度、支出している交付金について、2017~21年度の5年間を見ると、20年度が最高で約35億円、運送事業に占める割合は35%に上っていると説明しました。その上で、敬老乗車証の交付率の減は交付金の減に直結し、民間バスも含めたバス事業の財政や路線の維持にも影響すると述べ、「敬老乗車証を守ることは、市民の足を守り、公共交通の維持にも寄与する」と訴えました。

 日本共産党市議団の河合葉子議員が、議会での論戦を報告しました。22、23年度の連続した負担金の引き上げで、24年度の交付率は30・9%にまで低し、今年度に提出された敬老乗車証の負担金を21年度基準に戻すよう求めた陳情書は778件に上ったと指摘。「負担金引き下げは市民の切実な要求」と訴えました。

資料を示して報告する河合議員

 西京区大原野上里地域の日本共産党支部が、昨年6月に実施された上里地域の市バス路線の改変の是正と敬老乗車証の民間バスへの利用拡充などを求めて、市議会に陳情書を提出し、交通局や区役所との懇談を実施したことなどを報告しました。

 併せて、市が先月公表した敬老乗車証に関する市民アンケート結果の問題点について、共産党市議団が報告しました。

 同アンケートでは、負担金の額を「適当」と答えたのが49%で最多となりました。一方で、「高額」「非常に高額と答えた人が計35・8%に上る結果となりました。

「応益負担」導入阻止の運動が重要に

 河合議員は「市民の意見が十分に反映されたアンケートだったのか。負担金を元に戻してほしいとの選択肢もなかった」と指摘しました。併せて、市がアンケート結果を受け、負担金を所得に応じた「応能負担」から、乗車回数に基づく「応益負担」への変更を検討するとしていることを厳しく批判しました。 もともと、市は13年に策定した「制度の今後の在り方に関する基本的な考え方」で、「応益負担」へ「転換を図る」と明記しました。しかし、「連絡会」の運動や世論と共産党の議会論戦で12年間、「応益負担」の導入は阻止されてきました。

 河合議員ら参加した議員は「市が応益負担導入を進めようとしており、阻止する運動がいよいよ重要になっている。力を合わせよう」と呼びかけました。