綾部市の処分場前を視察する(右から)堀川、山内、倉林の各氏と島田氏(左端)ら(3月20日)
京丹波町の処分場前で山田町議(左から2人目)から説明を受ける倉林、堀川氏ら

倉林氏「国会で追及する」

 京都府内の河川などで有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」が検出されている問題を巡り、日本共産党の倉林明子参院議員・副委員長と堀川あきこ衆院議員、同党府議団は3月20日、暫定目標値を超えるPFASが検出されている、福知山市、綾部市、京丹波町の現場を訪れ、住民や同党地方議員らから聞き取りを行いました。

 府議団からは、島田敬子団長、光永敦彦、水谷修、森吉治の各氏が参加。福知山、綾部両市での調査には山内健・京都5区国政委員長が参加しました。

 京丹波町の産業廃棄物処理場「瑞穂環境保全センター」では昨年12月、放流水から国の暫定目標値(1㍑あたり50㌨㌘)を超える92㌨㌘を検出。放流水が流れ込む猪鼻川では、昨年8月に71㌨㌘を検出していました。

 同処理場の排水場所付近を、東まさ子、山田均両町議の案内で視察。山田町議は、下流域の農家では、農作物の栽培を中止するという影響が出ていることなどを語りました。

福知山市で除去装置を視察する倉林、堀川氏ら

 福知山市三和町の芦渕浄水場では23年10月に、75㌨㌘を検出。同浄水場は、京丹波町の処分場の下流域にあります。

除去装置設置「重い負担に」

 現地を案内した吉見純男市議は、同浄水場の給水人口が、同町住民の49%にあたるとし、広範な住民への影響が懸念されると強調。

 同市が対策として除去装置を1・1億円で設置しましたが、「費用はどこからの補助もなく、市の水道会計から出した。このような多額の出費は、給水人口も減って経営環境が厳しい中で、大変重い負担であり、後々、水道料金の引き上げにつながる危険性もある」と懸念を語りました。

 三和町に暮らす水谷直美さんは、「市は移住者を増やそうとしているが、この問題で、来るのを止めたいと思う人もいるかもしれない」と影響を懸念しました。

 綾部市では23年8月、産業廃棄物処分場の排水から暫定目標値の980倍の4万9000㌨㌘を検出。排水が流れ込む天野川でも目標値の56倍にあたる2800㌨㌘が検出されていました。

 現地では、住民が「あやべPFAS汚染から健康を守る会(準備会)」を立ち上げ、排水対策や調査による汚染実態の把握を求める署名などに取り組んでいます。

 同会メンバー、井田佳代子、吉崎篤子、塚崎泰史の各市議が、処分場を案内しました。 同会メンバーは、「活動のきっかけは行政の『規制のための法律がない』という態度だった。早く規制のための法律をつくってほしい」と訴えました。同会の芦田誠也さんは、「京大の研究者の調査で、土壌の汚染も深刻だった。地元として飲み水と土壌汚染の影響を明らかにしてほしい」と語りました。

 倉林氏は、「暫定目標値ではなく、法律で規制値を作るとともに、汚染原因を特定して除去していくという対応が必要。国会で取り上げて追及していきたい」と強調。

 堀川氏は、「住民には何の責任もないのに、知らないうちに汚染されている。政治の責任としてすべきことをはっきりさせていきたい」と述べました。