委員から機能縮小への懸念や苦言相次ぐ/京都市・ウィングス京都、民間企業「活用」方針 男女共同参画審議会

京都市が男女共同参画センター(ウィングス京都、中京区)の一部を民間企業に「活用」してもらうため、民間事業者を公募する方針を巡り、3月27日開催の市男女共同参画審議会で、委員からは同施設の機能縮小を招きかねないとして、苦言や懸念とともに、役割強化を求める意見が相次ぎました。
市は昨年12月25日、市議会文教はぐくみ委員会で、施設の効率的運営や「賑わいの創出」のために、2025年度中にプロポーザル(企業提案を募り、その中から企業を選定・契約する)方式で事業者を公募・選定する方針を発表しました。
日本共産党は、男女共同参画推進の中核的施設であるウィングス京都の機能縮小を招きかねない方針と指摘。同委員会の前日に開かれた市男女共同参画審議会に公募方針を諮っていないことを批判し、方針撤回を要求していました。
この日の審議会で、市は初めて公募方針を説明。これに対して委員からは「審議会で審議すべきものはしっかり上げてもらわないと困る」との苦言が呈されました。また、「民間事業者が活用することで、収益につながらない図書館などが縮小されたり、事業者にお金を落とさない団体が利用しづらくならないようにしてほしい」との意見が出されました。
別の委員からは、活動の柱である相談事業について、「施設が賑わっていることで、相談者が入るのをためらうことのないようにしてほしい」との注文がつけられました。
「公募に至る経過説明を」「相談活動の廃止縮小は絶対ないように」
審議会には、事前に市が委員に対して求めた意見が一覧表となって提出。その意見でも「どういった検討を経て、民間事業者を公募するとういう提案に至ったのか、経過を説明してほしい」との苦言や「ウィングス京都の役割を後退させず、各種相談活動が廃止縮小することが絶対ないようお願いしたい」などの注文が記されていました。