エンタメ部長のおススメミュージック

クリスマス・ソング「ホワイト・クリスマス」 

ホワイト・クリスマス 定番中の定番。しかし、恥ずかしげもなく推薦したい。アメリカを代表する作曲家ジョージ・ガーシュインをして「アメリカのシューベルト」と言わしめたアーヴィング・バーリンの手によるもの(作詞・作曲)。もとからビング・クロスビーが歌っていた。最初に映画『スイング・ホテル』で使われたが、当初はそれほど振るわなかったらしい。第2次世界大戦中、望郷の念にかられた兵士などの中で人気を呼び大ヒット。1942年のアカデミー歌曲賞まで受賞した。後日同名の映画がつくられ、挿入歌として再び使われることとなり、日本でも不動の地位を占めるようになる。
 私が中学校のとき、12月になると決まって下校時にこの曲が流れていた。放送部を担当していた美術教師の趣味だったのだが、若いときの感性は恐ろしい。夕暮れの物寂しさ、セーラー服姿のシルエット…いくつかの記憶がこの曲の中にフリージングされてしまった。勢いあまって高校時代には音楽部でクリスマスに「ホワイト・クリスマス」を上演(自主公演)してしまった(かなりにわか仕立てだったが)。
 後に、ビング・クロスビーが歌っていることを知り、ファンになるのだが彼の真似は難しい。鼻歌まじりでいい加減に歌っている(「クルーナー・スタイル」と人はいう)ようで、普通に演(や)ると酒飲みオヤジが風呂場で歌っているようにオチャラケになってしまう。小唄と同じで、粋なセンスがないととても出来ない。至極のダンディズムを味わいたい。