高橋耕平展 HARADA-san 12月6日(金)~12月27日(金)11時~19時(月曜休。金曜20時まで)、ギャラリー・パルク(京都市中京区三条通御幸町弁慶石町48三条ありもとビル2F。地下鉄東西線「京都市役所前」より徒歩3分)TEL075・231・0706。
 京都出身・在住の美術作家・高橋耕平(たかはし・こうへい/京都・1977~)は、京都精華大学で版画と写真を学び、大学院芸術研究科を2002年に卒業後は、アーティストとしての個人活動のみならずアートユニットでの発表やコラボレーションワークなどにも精力的に取り組むほか、自主企画によるグループ展の企画やオルタナティブ・スペース「MUZZ PROGRAM SPACE」の設立・運営など、幅広い活動を続けています。
 2006年よりとりわけ映像メディアを用いた作品制作・発表に取り組む高橋は、「反復」や「複製」などのキーワードを手がかりに、同じ動作やイメージの反復によってそこに「比較や差異」への思考を介入させ、それにより「固有」であることの定義や条件を問いかける作品を発表しています。
 これらは映像表現でありながら、高橋が設定したルールや条件を基にしたいわば「演劇的」なパフォーマンスの記録という側面をも合わせ持ち、そこに「記録・演出・アクシデント・編集」といった要素が意図的に混在することで、「映像」が特定のコンテクストを形づくることを回避しているといえます。
 高橋の個展となる本展「HARADA-san」は、京都のギャラリー界隈では有名な存在であるアートウォッチャー「はらださん」への数ヶ月に渡る撮影・取材をもとにしたドキュメンタリーを中心に構成されます。はらださんの京都市内のギャラリー巡りの様子から、日本のアート界及び日本社会に対する提言、生活の様子、ギャンブル、愛用の自転車の手入れ、思い出の場所への訪問、撮影者(高橋)とのやりとりなどによる1時間に及ぶ映像は、これまでに高橋の作品に見られた「要素の均質化によるコンテクストの不成立」から一転し、「はらださんの個人史」という生々しい文脈をなぞりながら進行します。
 これまでの「演劇的」な構造から離れ、「他者のありのままのドキュメント」という形式を纏って紡がれるこの「はらださん」による「はらだ史」は、一見して「真実」として鑑賞者に受け入れを迫ります。
 しかしそれが、事実を再演(反復・複製)されるなかで編集された、いわば「事実の記憶」という検証不能な物語であることや、ドキュメントいう形式が内包する他者(撮影者)の存在に思いいたるなかで、鑑賞者は次第に「真実(唯一)」を疑い(あるいは信じ)はじめるのではないでしょうか。
 真実・架空・事実・演出・記録・物語など、すべてがこれまで以上に混沌とした作品を見終えた時、果たして「鑑賞者にとってのはらださん」はどのような存在となっているのでしょうか。(ギャラリー・パルク)
 問い合わせTEL/FAX075・231・0706(ギャラリー・パルク)。

https://www.kyoto-minpo.net/event/wp-content/uploads/2015/04/20131206-01.jpghttps://www.kyoto-minpo.net/event/wp-content/uploads/2015/04/20131206-01-150x150.jpgkyomin-minpo画廊・ギャラリー 12月6日(金)~12月27日(金)11時~19時(月曜休。金曜20時まで)、ギャラリー・パルク(京都市中京区三条通御幸町弁慶石町48三条ありもとビル2F。地下鉄東西線「京都市役所前」より徒歩3分)TEL075・231・0706。  京都出身・在住の美術作家・高橋耕平(たかはし・こうへい/京都・1977~)は、京都精華大学で版画と写真を学び、大学院芸術研究科を2002年に卒業後は、アーティストとしての個人活動のみならずアートユニットでの発表やコラボレーションワークなどにも精力的に取り組むほか、自主企画によるグループ展の企画やオルタナティブ・スペース「MUZZ PROGRAM SPACE」の設立・運営など、幅広い活動を続けています。  2006年よりとりわけ映像メディアを用いた作品制作・発表に取り組む高橋は、「反復」や「複製」などのキーワードを手がかりに、同じ動作やイメージの反復によってそこに「比較や差異」への思考を介入させ、それにより「固有」であることの定義や条件を問いかける作品を発表しています。  これらは映像表現でありながら、高橋が設定したルールや条件を基にしたいわば「演劇的」なパフォーマンスの記録という側面をも合わせ持ち、そこに「記録・演出・アクシデント・編集」といった要素が意図的に混在することで、「映像」が特定のコンテクストを形づくることを回避しているといえます。  高橋の個展となる本展「HARADA-san」は、京都のギャラリー界隈では有名な存在であるアートウォッチャー「はらださん」への数ヶ月に渡る撮影・取材をもとにしたドキュメンタリーを中心に構成されます。はらださんの京都市内のギャラリー巡りの様子から、日本のアート界及び日本社会に対する提言、生活の様子、ギャンブル、愛用の自転車の手入れ、思い出の場所への訪問、撮影者(高橋)とのやりとりなどによる1時間に及ぶ映像は、これまでに高橋の作品に見られた「要素の均質化によるコンテクストの不成立」から一転し、「はらださんの個人史」という生々しい文脈をなぞりながら進行します。  これまでの「演劇的」な構造から離れ、「他者のありのままのドキュメント」という形式を纏って紡がれるこの「はらださん」による「はらだ史」は、一見して「真実」として鑑賞者に受け入れを迫ります。  しかしそれが、事実を再演(反復・複製)されるなかで編集された、いわば「事実の記憶」という検証不能な物語であることや、ドキュメントいう形式が内包する他者(撮影者)の存在に思いいたるなかで、鑑賞者は次第に「真実(唯一)」を疑い(あるいは信じ)はじめるのではないでしょうか。  真実・架空・事実・演出・記録・物語など、すべてがこれまで以上に混沌とした作品を見終えた時、果たして「鑑賞者にとってのはらださん」はどのような存在となっているのでしょうか。(ギャラリー・パルク)  問い合わせTEL/FAX075・231・0706(ギャラリー・パルク)。京都のイベントの最新情報がわかる京都イベントナビ