理解深め、治療などの経験交流が大事
薬物治療についての考え方もここ十年で大きく変わりました。以前は効果がある薬も少なく、ゆるめの薬から始めて、症状に合わせて量を増やしたり、強い薬に代える用法が一般的でした。しかしそれでは関節の変形を防止できないことがわかり、また近年、効果のある薬がたくさん開発されたことから、現在では、早期に診断し、副作用に留意しつつ最初から効果の強い薬(メソトレキサートなどの抗リウマチ薬、副腎皮質ホルモンなど)を使って変形を食い止めようという考え方が主流になっています。2000年代にはいって、バイオテクノロジーを使って製造された効果の強い注射製剤(商品名レミケード、エンブレルなど)が次々に登場し、リウマチ治療の新たな時代が到来しつつあります。
リハビリや、装具療法なども適宜おこないますが、何よりも「関節リウマチ」についてよく知ることが重要です。
「関節リウマチ」の特徴
男性より、女性に4倍多く、40代くらいに発症のピークはありますが、どの年齢でも、高齢者であっても発症し、日本では100万人くらいの患者さんがいます。おかされる関節の部位も数も程度も個人差があり、関節以外の内臓などの炎症を伴うこともあります。薬の効果にも個人差があり、完治する人がいる一方、治療の効果が少なく変形がどんどん進行する人もいます。「関節リウマチ」の薬物治療
「関節リウマチ」の治療は薬物治療が基本です。炎症を抑える消炎鎮痛剤、リウマチに効果がある抗リウマチ剤、免疫抑制剤、副腎皮質ホルモン剤など、これらを単独または組み合わせて治療します。薬物治療についての考え方もここ十年で大きく変わりました。以前は効果がある薬も少なく、ゆるめの薬から始めて、症状に合わせて量を増やしたり、強い薬に代える用法が一般的でした。しかしそれでは関節の変形を防止できないことがわかり、また近年、効果のある薬がたくさん開発されたことから、現在では、早期に診断し、副作用に留意しつつ最初から効果の強い薬(メソトレキサートなどの抗リウマチ薬、副腎皮質ホルモンなど)を使って変形を食い止めようという考え方が主流になっています。2000年代にはいって、バイオテクノロジーを使って製造された効果の強い注射製剤(商品名レミケード、エンブレルなど)が次々に登場し、リウマチ治療の新たな時代が到来しつつあります。
「関節リウマチ」の手術療法など
薬物療法をしていても、残念ながら関節の変形が進んでいくことがあります。また炎症が落ち着いても、いったん変形した関節は、使うことによって変形が進行していきます。こうなると薬では治せませんので、痛みや障害が強い場合、手術療法が選択されます。手術の目的は、痛みを除き、しっかりした関節を再建することです。膝や肘、股関節の人工関節や、手首・足首の固定術、関節鏡を使っての滑膜切除手術など、部位と程度に応じていろいろな手術法があります。リハビリや、装具療法なども適宜おこないますが、何よりも「関節リウマチ」についてよく知ることが重要です。