拒食症・過食症の治療(前半)
またたいていの症状について言えることですが、症状が出て何年も経ってから相談するより、早めに相談する方が解決しやすい場合があります。生活習慣として根付いてしまう前に受診できれば、それに越したことはありません。
また過食症をもつ人は、たいてい自分自身でも過食してしまうことに悩み、自分で自分の食べ方をコントロールできないことを恥ずかしく感じたり、そういう自分に嫌気がさしたりしています。そのため当然、過食のくせを人に打ち明けることには大変な勇気がいりますし、「かくれ食い」という形をとってしまいやすいのです。
ですから周囲の方が過食に気づいても、まずその気持ちをくんだ言葉をかけましょう。本人の自信をさらに失わせる非難は役に立たないばかりか、さらに恥ずかしく思う気持ちを起こさせ、隠れ食いや嘔吐・下剤乱用にご本人を追い込んでしまうこともあります。
拒食・過食は、根っこに寂しさを抱えた病気です。家庭がぎすぎすした雰囲気になってしまうと、よけいに治りにくくなってしまいます。体重についての説教は医者にまかせて、家庭はなるべく本人が安心できる場所、本心を話しやすい場所になるよう努力してみましょう。
まず何より、この病気についてよく知ることが大切です。いま精神科で治療を受けたくないと感じておられても、このまま治らずに病気が進んだ場合に心と体がどうなる可能性があるのか、まず知っておきましょう。
[定期的な通院]
頻度は1週間ごとから数ヶ月ごとなどさまざまですが、基本は1~2週ごとです。身体の障害が強い場合や治療初期などは、毎週の受診を勧められることがあります。・必要に応じて婦人科、内科など必要な科の診察に紹介してもらいましょう。
[身体検査]
体に害が出ていないか、必要なときには採血などで調べてもらいましょう。当然ながら精神科でも、採血検査や頭部画像検査などを行うことができます(頭部画像検査については撮影の施設がある総合病院などで行えます)。
早めに相談してみる
自分の状態が過食症・拒食症にまで進んでいるのか心配な方は、一度精神科外来に相談されることをお勧めします。精神病院の外来にかかりにくい場合は、精神科診療所や総合病院の精神科ならよりかかりやすいかもしれません。とくに総合病院の中の精神科は、体の症状が現れたとき他科とも連携が取りやすいメリットがあります。またたいていの症状について言えることですが、症状が出て何年も経ってから相談するより、早めに相談する方が解決しやすい場合があります。生活習慣として根付いてしまう前に受診できれば、それに越したことはありません。
治りうるが簡単ではない
この病気は基本的に治りうる病気です。ただし、治療には根気よく取り組む必要があり、決して「簡単に治してもらえる病気」だとは言えません。他力本願では治らない
この病気は、ご自身がまず自分で病気であることを認めること、つぎに自分から積極的に治療していこうと思えるようになることが、非常に大切です。しかしそれが同時に非常に難しいことでもあります。治りたいのか治りたくないのか自分でもわからなかったり、時によって治りたいと思うことと、治らなくていいと思うこともあるでしょう。けれどもこういう相反する気持ちを自分でしっかり認識し、それを心にかかえながらも治療を続けていくことが非常に重要です。周囲の説教では治らない
拒食症の場合、周囲のご家族などは当然心配ですので「食べなさい」と叱ったり説得したくなります。けれども家庭で食べるように説得しようとすると、本人は家族と食事を取るのがいやになったり、隠れていろいろなことをしたくなったりします。また「食べようかな」と内心思いかけても「食べよ」と人に言われると逆に「絶対にいやだ」という気持ちになってしまうことが多いのです。まずは辛抱強く、本人の口に合うものを一緒に探してあげましょう。また過食症をもつ人は、たいてい自分自身でも過食してしまうことに悩み、自分で自分の食べ方をコントロールできないことを恥ずかしく感じたり、そういう自分に嫌気がさしたりしています。そのため当然、過食のくせを人に打ち明けることには大変な勇気がいりますし、「かくれ食い」という形をとってしまいやすいのです。
ですから周囲の方が過食に気づいても、まずその気持ちをくんだ言葉をかけましょう。本人の自信をさらに失わせる非難は役に立たないばかりか、さらに恥ずかしく思う気持ちを起こさせ、隠れ食いや嘔吐・下剤乱用にご本人を追い込んでしまうこともあります。
拒食・過食は、根っこに寂しさを抱えた病気です。家庭がぎすぎすした雰囲気になってしまうと、よけいに治りにくくなってしまいます。体重についての説教は医者にまかせて、家庭はなるべく本人が安心できる場所、本心を話しやすい場所になるよう努力してみましょう。
受診をいやがっているとき
まずご家族のみで精神科に受診していただき、ご相談ください。ご本人が受診されるまでお薬は処方できませんが、それ以外の方法での対処法について相談ができます。どう治していくか(前半)
[過食症について学ぶ]まず何より、この病気についてよく知ることが大切です。いま精神科で治療を受けたくないと感じておられても、このまま治らずに病気が進んだ場合に心と体がどうなる可能性があるのか、まず知っておきましょう。
[定期的な通院]
頻度は1週間ごとから数ヶ月ごとなどさまざまですが、基本は1~2週ごとです。身体の障害が強い場合や治療初期などは、毎週の受診を勧められることがあります。・必要に応じて婦人科、内科など必要な科の診察に紹介してもらいましょう。
[身体検査]
体に害が出ていないか、必要なときには採血などで調べてもらいましょう。当然ながら精神科でも、採血検査や頭部画像検査などを行うことができます(頭部画像検査については撮影の施設がある総合病院などで行えます)。
●「摂食障害?」と思ったら
- まず受信し、摂食障害かどうか相談を。
- 本人が受信を拒否しておられる場合、「私はあなたのことが心配だから相談に行ってくるよ」 と告げるだけ告げ、家族のみでも精神科受診し医師に相談する。
- まずこの病気の身体への影響について、本人と一緒に学ぶ(8月24日付参照)。
- 拒食/過食、吐く等の行動については、やめよと説得しても無駄であることが多い。
- 体重に関するやりとりは医師にまかせて、家族は極力本人の話を口を挟まず聞き、家庭が心休 まる場となるようにつとめる。
- 症状を軽減しうる薬はあるが、魔法のように効く薬はないため、ねばり強く取り組む。
- 命にかかわる体重低下があった場合は、身体治療のために入院を。