医療+暮らし

上手に付き合おう更年期(2)

骨粗鬆症、排尿障害、子宮癌について

骨粗鬆症について

 骨粗鬆症は、骨の中のカルシウム(骨塩と言います)が減少することを言い、いわゆる「骨がもろくなって骨折を起こしやすい状態」になることを言います。最近、超音波で骨塩量を手軽に調べることができるようになりましたが、骨塩を調べる方法は他にも、手や腰椎のレントゲンを撮って調べる方法があり、骨塩の増減を比較するには検査方法を1つに決めておく必要があります。骨粗鬆症になりますと、ちょっとしたお手つきやしりもちで腕や足の骨が折れやすくなったり、治療をしてもなかなか骨が付かなかったり、姿勢が悪くなったりします。
 また骨折治療中は安静が必要ですので、高齢の方では寝たきりの原因になりえます。欧米では、寝たきり予防のためにHRTをしている方も多くいらっしゃいますが、現在はホルモン剤以外にも骨粗鬆症の治療薬が開発されています。また、骨塩のピークは20代に完成されるので、年を取ってからの予防も大事ですが、若い時からの栄養管理も重要になります。10代の無理なダイエットは骨粗鬆症予備軍の増加につながります。

尿漏れは産婦人科?泌尿器科?

TVT(Tension-free vaginal tape)法とは?
更年期

特殊なメッシュのテープで尿道を軽く支え、お腹に力が入ったときのおしっこのもれを防ぎます(京都府立医大泌尿器科のHPより)

 女性の排尿障害で多いのは走ったり笑ったりすると尿が漏れる腹圧性尿失禁とおしっこが間に合わない切迫性尿失禁です。お産の経験があり、日頃から便秘気味でトイレで気張る習慣がある、ちょっとふくよか型の女性に腹圧性尿失禁がよく見られます。あるアンケートからも、尿漏れは30代から起こるというデータがあります。
 いったん尿漏れを経験すると、次に失敗しないかと神経質になり、外出もままならない方も多く見られます。このとき、どこに相談・受診したらいいのか、悩む方も少なくありません。
 おしっこの病気は泌尿器科でも相談に乗ってもらえますが、女性の排尿障害は男性の場合と症状がかなり異なるので、産婦人科で相談されるのがよいでしょう。尿漏れの症状もかなり個人差がありますので、生活習慣を変えるだけで改善される方も多く見られます。
 軽症であれば、予防の体操(骨盤底筋群体操)や薬でかなりの改善が期待できます。重症になれば手術による治療が必要になりますが、これにより90%以上の方が尿漏れパッドから解放されると言われています。

最後に…年に1回の子宮癌検診を!

 京都市では2005年度から、市による子宮癌検診が20歳から受けられるようになりましたが、検診間隔が2年に1回になりました。これは、医学的に「3年連続して受診して異常がなければ、2年に1回にしても癌の見落としは防げる」という欧米での結論の後半だけを取った中途半端な改訂です。
 2008年は西暦で偶数年生まれの方だけが対象になりますが、癌の見落としを防ぐためにも子宮癌検診は毎年受診しましょう。

※20歳以上の女性で、その年の誕生日に偶数年齢になる方が対象
京都民医連中央病院 産婦人科科長 中村光佐子
2009年9月10日 17:13 |コメント0

医療+暮らしの新着

「医療+暮らし」は「週刊しんぶん京都民報」で好評連載中です

コメントを投稿

コメントは、京都民報Web編集局が承認するまで表示されません。
承認作業は平日の10時から18時の営業時間帯に行います。




メールアドレスは公開されません



京都の集会・行事