やっぱり控えめ。そんなところが吾亦紅。
気の付く頃には秋風にゆれている。
庭で生まれた毛虫はどれも「ケム氏」と名付けて、格好の観察対象となる。さて、このケム氏。「このまま枝先までたどり着いたら、どうするかしら」と思う。すると、途中で葉に乗り移った。柔らかい草の葉は、1匹の重みにさえ耐えかねて、うっかりケム氏は落ちそうになるも再び体を波打たせて這いはじめる。
「いったい、何を考えているのだろう。何処に行きたいのだろう」
さっきのあの枝を上りきれば、すぐにでも美味しい花まで着けたのに、ちょっと寄り道したが故に遠まわり。花まで当分たどり着けそうになくなった。
ケム氏は、時どき頭をもたげて辺りを見渡しながら歩んでいる。体をさざ波のように寄せて。ただ歩き続けている。
先ほど浮かんだちっぽけな問いかけを撤回したくなった。
ケム氏はもっと大きな何かに向かっている。
丸い大きな地球の真ん中で。
ワレモコウ、大好きです。夕日に照らされてその光を一身に浴びたワレモコウの色は何ともいえず平安時代の香りがします。これは、単なる私の思いなのですが。古代紫のような何ともいえない神秘の色です。昨年、近くの里で根を取ってきたのが今年見事に咲きました。嬉しい!今年は地植えにしてやろうと思ってます。