ツタ【ブドウ科】
蔦は、老木リラの朽ちた親木の切り株に絡まっている。ずっと以前に父がひと蔓持ち帰って植えた。親株は成徳中学校の校舎を覆っている。
校舎を渡る風に波打つ豊かな蔦は生徒にとってシンボルだった。成徳中学校は少子化に伴う生徒数の減少により2002年に廃校となってしまったけれど、残された校舎には今年も秋が訪れている。
この蔦は「生徒会の歌」の歌詞にもなっている。「緑の蔦にふりそそぐ輝く光」で始まる「生徒会の歌」を今でも口ずさむことがある。校歌はもう忘れてしまったのに。
歴史ある学舎に絡むのと同じ蔦が今年も朽ちたリラの老木に美しい色を添えてくれることを嬉しく思う。
校舎を渡る風に波打つ豊かな蔦は生徒にとってシンボルだった。成徳中学校は少子化に伴う生徒数の減少により2002年に廃校となってしまったけれど、残された校舎には今年も秋が訪れている。
この蔦は「生徒会の歌」の歌詞にもなっている。「緑の蔦にふりそそぐ輝く光」で始まる「生徒会の歌」を今でも口ずさむことがある。校歌はもう忘れてしまったのに。
歴史ある学舎に絡むのと同じ蔦が今年も朽ちたリラの老木に美しい色を添えてくれることを嬉しく思う。
あれは初夏のことだった。蔦で覆われた古びたアパートの傍を通り過ぎようとして、うなる羽音に気がついた。蔦の小さな花にミツバチが寄っていた。羽音に混じって、花が葉にあたりながら転げて落ちるぽつぽつとした微かな音も聞こえて、地面には仁丹の粒ほどの花柄が散らばっていた。
まだ制服を着ていたあの頃。教室の窓辺が席にあたれば、授業はそっちのけでミツバチの働きを眺めた。ときどき、一匹の蜂が教室を覗きかけては宙で方向を変えて、また外の自由へ戻っていったりするのも。
あんなに茂って古い壁を豊かな緑で覆い尽くしても木枯らしには葉を落とし、今度は黒い陰鬱な網で建物を捕らえてしまう。
最後の一葉が風に吹かれてぶらぶらと揺れている。これも明日には散っているだろう。そして春の訪れを約束する。
まだ制服を着ていたあの頃。教室の窓辺が席にあたれば、授業はそっちのけでミツバチの働きを眺めた。ときどき、一匹の蜂が教室を覗きかけては宙で方向を変えて、また外の自由へ戻っていったりするのも。
あんなに茂って古い壁を豊かな緑で覆い尽くしても木枯らしには葉を落とし、今度は黒い陰鬱な網で建物を捕らえてしまう。
最後の一葉が風に吹かれてぶらぶらと揺れている。これも明日には散っているだろう。そして春の訪れを約束する。
まだ外は真っ暗ですけど、おはようございます。蔦の絵を見て、「真っ赤な秋」という歌を口ずさみました。実物が本当にそこにあるような絵です。額に入れて、部屋に飾っておきたくなりました。