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甘楽花子 坤庵
菜の花や 月は東に 陽は西に (蕪村) のどかな春の夕景を詠み込んだ句です。こなしの緑と白餡の黄を巻物にし、小口切にしてこんな情景を表現しています。 「こなし」とは白餡、漉し餡等に小麦粉を混ぜ、蒸して練り、色をつけた生地のことで、小麦粉のグルテンが程よい粘りを出し、扱いやすくなるため、包む、伸す、巻く、いろいろに利用できます。また、練る折に色も自在につけられるので、襲(かさね)にしたり、ぼかしたり、意匠に応じた彩色の楽しみもあります。