一声長笛出雲間。ホトトギスの特徴ある鳴声(テッペンタケタカと聞こえます)の事で、初夏の歌によく詠まれています。
郭公(ほととぎす) 一こゑ鳴きていぬる夜は
いかでか人の いをやすくぬる
中納言家持
白餡に大徳寺納豆を置き、空色のういろうで包み、半月型にし、月を横切って鋭く鳴いて飛び去る姿を表現しました。白餡と塩味の大徳寺納豆のバランスが微妙な味を醸しています。
源氏物語「蛍」の帖より。
複雑な心境ながら、宮と玉鬘(たまかずら)の恋を手助けする源氏が几帳の中に蛍を放ちます。その光が玉蔓の美しい姿を浮かび上がらせます。
小豆粒が蛍、薯蕷の黄色が仄かな明るみを表しています。現代の明る過ぎる夜からは想像できぬ位の夜の暗さ、闇の深さ、なればこその蛍の光なのでしょう。