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甘楽花子 坤庵
あはれまた いかに忍ばむ 袖の露 野原の風に 秋は来にけり 右衛門督通具 秋の声を聞く頃、葛焼をつくり始めます。白餡をつかったものは色づけも出来ますが、やはり、白餡、漉し餡だけの、素材の色そのままを生かして使うほうが、秋の侘びた感じがよく出ます。 夏の間、餡を包んで透明な葛に映える彩を清涼感とともに楽しんだ後、半透明の切り口、上用粉をまぶして焼き目をつけた皮目の香ばしさと、さっくりした喰い口が秋小口の風情を賞味させてくれます。